
本日、本年最終出勤日。
毎年色々なことありますが、今年も色々なことがありました。
人生初めての就活、からの転職を経験、頑張りたくないのに頑張った年だったな。

夜は、池袋 寿司 空へ。
友達とお寿司を食べに行こうという話になり、いついくいついくと延び延びになっていたら、今夜になりました。
ポチポチッと予約して、池袋駅から徒歩数分のビルの7階。
エレベーターを降りると右側が鉄板焼きSublime、左がお寿司やさん。

予約したのは、せっかくならばとテッペンの特選おまかせ握りコース18,980円、飲み物代は別。
世が世なら、カウンター席にびっしりお客さんが埋まるところ、訪問客毎に1席ずつ空けてあります。
コートとマフラーを預けて、さてお寿司を楽しみましょう。

私は一杯目はビールを飲んで、後は日本酒を心ゆくまで飲むタイプ。
日本酒は自分の好みの品揃えにうきうき、どれから飲もうか思案のしどころ。
ですが、本日のおすすめが気になります。

今夜は池袋で二人お疲れ様会、プレミアム生ビール熟撰1,100円で乾杯。
小さいグラスではなく、大きめのグラスにたっぷりと注がれた生ビール。
夏でも冬でも、昼でも夜でも、ビールは美味しい。

前菜3種として、モズク酢、秋刀魚のみぞれ煮、A5ランク牛肉の煮込み。
モズク酢は何度も味わったことがあり、最初に味わう料理として最適だと感じています。
みぞれ煮は大根おろしで煮込んだ料理、ほのかに利いた大根の辛味が秋刀魚の旨味を引き立てます。
牛肉の煮込みは針生姜を合わせ、旨味と辛味がビールを一瞬で蒸発させます。

ビールに続いて日本酒、「本日のおすすめは何ですか」と板さんに声を掛けます。
「こちらをどうぞ」と渡された、本日の隠し酒のリスト。
せっかくの年末お寿司、値段の高い順番に飲んでしまいそう。

山口の蔵元である澄川酒造場が醸す「東洋美人 壱番纏(とうようびじん いちばんまとい)」純米大吟醸 山田錦 R3BY。
色々な造りの東洋美人を飲みましたが、壱番纏を飲むのは初めて。
プーチン露大統領が来日された晩餐会で出された日本酒。
お米の旨味だけではなく酸味にまで透明感が溢れています。

蒸し鮑。
鮑を蒸して切り分け、殻に戻して出汁に浸けてあります。
ゆっくり味わっても温度が下がりにくく、最後の一切れまで美味しくいただけます。
固すぎず柔らかすぎない蒸し具合、切り身の下には肝も沈めてあり、鮑全体を楽しめます。

本日の焼き魚は、サワラの幽庵焼き。
魚はその日の仕入れで異なり、今夜はサワラ、美味しいですなぁ。
幽庵焼きだけでも美味しいけど、谷中生姜とキャラブキと一緒に食べるとさらに美味しい。

本日の茶碗蒸しは、ズワイガニ餡掛け。
茶碗蒸しはお店の数だけあるので、お寿司のコースを頂くときに、とても楽しみにしています。
ズワイガニの餡かけは初めて、茶碗蒸しの生地(?)によく合って、とても美味しい。

山形の蔵元である亀の井酒造が醸す「くどき上手 無愛想(ぶあいそう)」純米大吟醸 生詰 播州山田錦22 R3BY。
くどき上手でよく飲むのはばくれん(レギュラーメニューにあります)、無愛想は初めて。
驚くほどすっきりした味わいで、このお酒を飲んだら口説くことも忘れてお酒を飲みいってしまいそう。

ここから握り。
食べログのメニューには9貫と説明されていて、ネタと順番は食べ手からのお楽しみ。
ゲタはお店毎に特徴があって、こちらでは化粧された鉄板。
まずガリが置かれ(減れば追加して下さいます)、隣にお寿司。

先ずは、中トロ。
ふんわりと握られた赤酢のシャリに、シャリに覆い被るほどの中トロ、醤油が刷毛で塗られています。
トロリと溶ける旨味と僅かに残る歯応えがとても心好いお寿司。
お寿司を手で直接持つか、箸を使うかは食べ手の好み、私は出来るだけ手で直接持って頂きます。

真鯛のポン酢。
一口で食べて、口の中でポン酢を合わせる口内調理のお寿司、うんまい。
シャリとネタの相性を考え、マグロは赤酢のシャリで握り、他のネタでは白いシャリで握られています。

真鯵。
ちょこんと乗せた生姜がたまらない一握り、良いですなぁ。
シャリがふんわりして食べ応えで、とてもネタに合います。
訊けば、手で食べるならふんわりと、箸で食べならしっかりと、食べ方によって握り方を変えているそうです。

車海老。
焼き上げてから適度に冷まし、ピンと伸ばして乗せた握り。
少し大きめですが一口で食べきれる大きさ、シャリの量もちゃんと調整されています。
それはそれとして、女性には食べにくくないかなと、隣を見ます。

あらっ、食べやすく半切りされていますな。
半切りすると海老とシャリが離れやすいので、海苔を巻いてあります。
こういうちょっとしたことは昔は当たり前でしたが、ちゃんと残っているお店(職人)もありますね。

三重の蔵元である清水清三郎商店が醸す「作 雅乃智(ざく みやびのとも)」純米吟醸 R3BY。
お寿司に合う日本酒のひとつである作、雅乃智を選んで用意してあるのがとても嬉しい。
片口は2種類だけの様ですが、お酒に合う方を合わせて下さいます。

クエ。
お寿司のクエを食べたことは何度かありますが、これほどまでに粘りのあるクエは初めて。
色合いの移ろいが分かるほど身厚ながら、一口で食べられるちょうどの大きさ。
美味しいなぁ、今冬はクエ鍋が食べられるといいなぁ。

大トロ。
何の説明も要らない大トロ、刷毛で塗った醤油がしたたり落ちるほどの張り。
赤酢のシャリが目を開けていられないほど合いますなぁ、うんまい。

岐阜の蔵元である渡辺酒造店が醸す「W(ダブリュー)」 純米無濾過原酒 山田錦 火入 R3BY。
Wとは渡辺酒造店(WATANABE)、世界(World)、笑い(Warai)という3つの意味を表しています。
瓶火入れで丁寧に仕込まれた日本酒、世界に打って出るに相応しい味わい。

シマアジ。
白身を多めに捌いたネタが、鯵の鯵らしい味わいを強めに感じます。
少し寝かせてあるのかな、その辺りの熟成具合も抜かりありません。

空の名物、雲丹の食べ比べ。
左からムラサキウニ、塩水馬糞雲丹、馬糞雲丹。
全てにシャリが敷かれ、ムラサキウニには大葉を合わせ、半分はそのまま、残りを山葵で楽しめます。
それぞれの味や食感の違いが良く分かって、とても楽しい。

赤貝。
私が一番好きな寿司ネタである赤貝、今夜はコースに組み込まれていました。
一口でペロッと食べてしまうけれども、その一口を最大限に楽しめる様な下拵えが施してあります。
お代わりって出来るんだろうか、、、出来ないだろうな。

宮城の蔵元である仙台伊澤家 勝山酒造が醸す「勝山 縁(かつやま えん)」純米吟醸 本生 R3BY。
仙台の水に合うのは仙台のお米、をコンセプトの醸された日本酒。
雲丹の後で楽しむ日本酒としては最適なんじゃないだろうか。

金目鯛。
表面を軽く炙って香ばしさをも楽しめる握り、シャリをやや多めに調整。
冷たい料理が続くので、ほんの少しの温かさがとても温かく感じます。

今日のイクラの小丼ぶりには、白魚とズワイガニを合わせてあります。
金粉をあしらった華やかな小鉢、色々な食感と色々な旨味を一度に楽しめます。
イクラを多めに感じたのはたまたまかな。

ヅケ。
最後の握りは濃い味の握り、後は巻きと汁物です、と説明があります。
殆どのネタは縦に切れ目を入れてあって、食べやすさを最優先、素晴らしいです。

東京の蔵元である東京港醸造が醸す「江戸開城(えどかいじょう)」純米吟醸 原酒 山田錦 R3BY。
二人で1合なのでそんなに飲んでいないくて、ちょうど良い感じで酔いました。
まま、酔ったのは日本酒だけではないけれど。

鉄火巻き。
酔いが覚めるほどに山葵が利かせてあって、なんかとっても新鮮。
醤油をたっぷり漬けて頂くのが好みですが、なぜかたっぷり醤油が付けられています。

玉子。
味にまとまりを感じるしっとりタイプ、ほんのりとした甘味がとても美味しい。
二切れを食べるのは一瞬、ここまでに仕立てるのに数時間、ありがたいことです。

赤出汁。
他のお客さんが掃けたこともあり、板さんとお寿司や日本酒についてお話しさせて頂きました。
日本酒は専属の利き酒師が選んでいるそうで、流行に乗らず、お寿司に合う銘柄を揃えているとのこと。

デザート。
スプーンがスッと入るほど柔らかいアイス、ちょうど良い感じ。
美味しいお寿司、美味しい料理、美味しい日本酒をご馳走様でした。