
昨日まで台風がどうのこうのと、出掛けることさえ危ぶまれました。
まあ、雨が降ったら降ったらでどうにかなるさと、友人と町田駅で待ち合わせて、一路山梨へ。
山梨へ電車で向かったのはどのくらいぶりだろうか。
記憶に間違いが無ければ、初めてかも知れない。

山梨市駅で降りて、歩いてすぐの御食事処 歩成 本店(公式ホームページ)でお昼にします。
詰めすぎていない予定とは言え、行き当たりばったりでは不安なので軽く下調べしてあります。
山梨に行ったらほうとうはベタすぎますが、そのベタを食べたのは随分前ですからね。

お店は昼は定食、夜は居酒屋として営業されていて、ほぼ満席。
何とか空いていたテーブル席に案内されます。
ほうとうは黄金ほうとう1,200円、あわびの煮貝入り1,800円の2種類。
それぞれ豚肉入りと鶏肉入りが選べるので、私は豚肉、友人は鶏肉。
地のお客さんはほうとうを食べ飽きているらしく、唐揚げ定食とか食べているお客さんがちらほら。

ほうとうって土鍋で煮込んでから運んでくるとばかり思っていました。
しばらくするとカセットコンロを置かれ、タイマーを渡されて「13分経ったら火を消して下さい」と案内されます。
こういうところまで調べないのが私流、1分単位で計画し、一時間単位で行動します。
私のカセットコンロが調子悪く、交換している間も友人は煮続けていたりして。

ピピピッと鳴って、蓋を開けたらもうもうと湯気が上がって、黄金ほうとう(豚肉入り)1,200円が煮上がりました。
食べてみると味噌仕立てのスープがかぼちゃにとてもよく合っていて、とっても美味しい。
『かぼちゃのペーストを加えた秘伝の黄金味噌に、あわびの肝のペーストと、京都の究極のだしをあわせました』と説明があります。
かぼちゃは、ぶどう棚を利用して栽培する山梨ならではの空中かぼちゃ、全面に日光が当たります。

ほうとうってうどんとは違うのかな、良く分からないけど、スープによく合ってとても美味しい。
食事はお喋りして食べると美味しいんだけど、お喋りを止めて食べてしまったよ。
外待ちされているお客さんがいる雰囲気でしたので、食べ終わったらコーヒーなぞ飲まずに席を立ちます。
美味しくいただき、ご馳走様でした。

旅行の計画を立てたのが遅くて、レンタカーは駅から徒歩20分ほどのニコニコレンタカーへ。
ガソリンスタンドと併設されていて、予約が入るとクルマをどこかからか用意されるようです。
一回スタンドを出て、その方向へ向かいながら路駐して、カーナビをセットします。

約束の地、98WINEsへ。
店舗のインスタで今日を含む数日は臨時休業ということは知っていました。
知っていましたけれども、一度は生でワイナリーを見たいじゃないですか、私は見たいです。
ほほう、普通に撮ったのでは、近くの民家や電線が映り込むんだな。
ではまた来ますと、ワイナリーを後にします。

ワイナリーからさらに山を登っていった先にある、98BEERs(公式インスタグラム)。
昨日オープン、ワイナリーである98WINEsのスタッフが新たに立ち上げたブルワリー。
こちらのオープンを知ったので、ワイナリーの臨時休業にも慌てずに、山梨へ向かいました。

店舗のインスタで写真を見ていましたが、やはり実物を見ると嬉しい。
もちろんガラス越しなので映り込みがありますけど、しばらく眺めていました。

ブルワリーに来てビールを飲まないのは有り得ないんだけど、今日は私が運転手。
幾つかの種類を出す予定になっていて、先ずは九八シリーズから。
奥からレッドエール、セゾン、ベルジャンビターと名付けられ、アルコール度数が異なります。
簡単な食事も用意されていますが、今日はビールだけ(私はノンアルコール)。

友人はブルワリーでしか飲めないケルシュを、私はジンジャエール。
たまたまテラスの席が空いていたので、席を予約していたかのように当たり前に座ります。
ジンジャエールなんて飲んだのは何年ぶりか分からないけど、決して悪くありません。

飲みながらというか飲み終わってから、木々の切れ間から山肌を眺めます。
太陽の方向だけではなく、季節によっても見える風景が変わるんだろうな。

直ぐ近くを川が流れているんですね。
まあ、飲食店というか人が暮らすには、何とかして水と電気を確保する必要があります。
水さえあれば何とかなりますからね。

ディナーの時間から逆算して、二時間ほど、のんびり。
都会では10分の時間を潰すのにだってスマホが無ければ途方に暮れてしまうのに。
さざ波のような木漏れ日を浴びながら、何をするわけでも無く四方山話。

さて、そろそろディナーに向かうかと、お土産のビールを物色しつつ、店員さんとお喋り。
「(インスタでみた)2階がホテルになっているんですよね」と話すと、「室内をご覧になりますか」と振られ。
後先考えずにイエス、調度品が揃っておらず、カーテンも付けられていない部屋を案内して下さいました。


部屋は、3部屋あり、それぞれ特徴があります。
真ん中の部屋は、部屋の窓からブルワリーが見えるという、恐らく日本で唯一、ひょっとしたら世界でも珍しい。

テラス付きの部屋もありますが、何かをするために泊まるのでは無く、何もしないために泊まるホテル。
とはえ、ビールは飲み放題とのこと(元が取れるまで飲むのは厳しそうですが)。
ご興味がある方は、こちらが詳細と予約サイトになります。

時間に余裕を持って山を下り、レンタカーを返して電車に乗って、勝沼ぶどう郷駅へ。
手元のメモを見て、予約時間に間に合わないと思って特急料金を払ってまで慌てていったのに。
予約時間に伺ったら、30分早かった、、私のメモ間違い。
遅れるよりいいけど、特急料金が無駄になりましたな。

定刻になり、夜は勝沼食堂パパソロッテ(ホームページ)へ。
こちらの予約は電話だけなので、日時に不安がありましたが、無事に予約できていました。

他にお客さんがおらず、窓際の一番良い席と思われる席に案内して下さいます。
いやー、今はまだ明るいけど、食事が終わる頃には夜景が綺麗だろうなぁ。
料理をアラカルトで頼むこともできそうですが、今日は予約の時点でコース料理をお願いしてあります。

そして、飲物はもちろん98WINEs。
予定では昼間にワイナリーで試飲してきて、夜は料理に合わせて、でしたが。
ボトル売りなのですから残ったら持ち帰っても構いませんと言われましたが、ちゃんと飲みました。

先ずは白から、今夜は赤は品切れですがロゼならあるとのこと。
98WINEsのワインは「霜(SOU)」「芒(NOGI)」「穀(KOKU)」の3シリーズあり、【芒 NOGI WHITE 2021】を。
ワインに詳しくないけど、コルクを蝋付けしているんですね。
それって一般的なのかな、それとも特別な事情があるのかな。

前菜として、富士の介のカルパッチョ サラダ仕立て。
富士の介とは、「マス類で最高級とされるキングサーモンと山梨県で生産量ナンバーワンのニジマスを交配し、山梨県水産技術センターが開発した山梨県オリジナルの魚」。
山の中で魚料理も無いだろうと勝手に思いましたが、淡水魚はいるわけで。
初めて富士の介を頂きましたがかなり美味しい、こんなに美味しいなら刺身で食べてみたい。

2品目は、自家製ハムとパセリのゼリー寄せ、鴨のだし、レモンマヨネーズ。
ハムとパセリをゼリーで固めちゃうんだ、ナイフとフォークで切り分けて頂きます。
レモンマヨネーズが絶品で、恐らくマヨネーズから作っているんだろうとシェフに訊くと、市販品とか。
ブレンドが絶妙なのか、ピンクペッパーも良い感じです。

パンは手でちぎれないほど固めタイプ。
とはいえ、無理矢理ちぎってレモンソースを付けて美味しくいただきます。

イタリアンなので、メインの前にパスタ。
パスタは「秋ナスと甲斐舞茸のオイルパスタ」か「山梨県産トマトのポモドーロ」から選べます。
2人ともトマト、この半人前にも満たないポーションが素敵。
トマトの酸味と甘味、山梨の空気、友人とお喋り、全て素晴らしい。

アッという間に一本空けて、2本目はロゼ、【霜 SOU ROSE 2021】。
白も素晴らしい美味しさで、ロゼも負けないほど素晴らしい美味しさ。

ダチョウの低温ロースト。
料理説明はもっと細かかったけれども、ワインが美味しくて、店の雰囲気が気持ちよくて、覚えていない。
説明が無ければダチョウとは分からない肉質、だからといって豚とか牛には間違えないけれど。
既に切り分けられているので、フォークだけで楽しめます。

デザートはコース料理には含まれておらず、訊けば「食べ切れないお客さんが多い」ので別にしたと。
もちろん用意はされていて、今夜は山梨県産ブルーベリーのタルト〜カシスソルベぞえ〜660円。
滅多のタルトなんて食べないけど、濃厚な鶏肉料理の後ということもあって、とっても美味しい。

食後にコーヒーを飲みながら、店員さんとあれこれお喋り。
お店は、猿橋にあるWine Cellar HASEBE 長谷部酒店の姉妹店とのこと。
ワインだけではなく日本酒もそろっているらしいので、是非行ってみたい。
美味しいイタリアン、美味しいワイン、素晴らしい空気をご馳走様でした。

すっかり良い気分になったので、ホテルまでタクシーを呼んでもらいました。
まあ、地元のお金を落とすってことだけど、坂を登って電車に乗って、また歩くとか考えられない。