/鳥焼き 鬼つねにて特選みつせ鶏焼きコース/
月曜日の朝から雨が降って、まあ、天気と曜日は関係ないかも知れないけど。
自宅から駅まで降っていなければ、後は何とでもなるんだけど。
都内に着いたら雨は上がっていて、葉っぱに雨粒を残すばかり。
お誘いいただき、今夜は鳥焼き 鬼つねへ、
繁華街の裏通りや、大通りから小径を入った、いわゆる隠れ家ではなく。
池袋と要町の真ん中辺りの住宅街、ひっそりと炭火の香りを漂わせています。
ふらりと立ち寄る近隣住まいの方でない限り、予約して伺うのが吉かと。
「オニツネ」と書いて「きつね」と読む、狐に掛けたわけではなく。
渋谷の予約困難店である「鬼亭」から一字、オーナーの名前から一字、それぞれ取った屋号。
鳥焼き、鳥刺しを中心にカウンターで店員さんとのお喋りを楽しむもよし、テーブルで仲間と楽しむも良し、
2階や屋上でBBQで盛り上がるも良し。
店内改装に伴い、メニューを細かく調整されたとのこと。
卓上のメニューが間に合っていませんが、ネットのメニューは更新済み。
今夜は特選みつせ鶏焼きコース5,280円、飲み物はアラカルトでお願いしています。
それではアウグスビール(中瓶)1,100円で乾杯。
今夜は池袋で、2人お疲れ様会。
アウグス ピルスナーは、日本酒で言うところの無濾過生原酒。
超軟水である富士山麓の地下伏流水で仕込まれ、低温長期熟成させた、そこまでするかなの美味しさ。
樽生の味わいを目指しているとされ、樽生の味を知らない私は、なんて樽生って美味しいんだろうと。
旨いビールで唇を湿らせたところで、美人鶏の薬膳スープ。
焼き鳥屋だけでなく鳥焼き屋でも、コースならば鳥スープからなのですね。
濁らせることなく8時間炊き込んだスープ、どんなに美味しくても湯呑み半分ってのが粋ですね。
本日の一品として、大桃豆腐の濃厚湯葉刺し。
お店から北斗七星の方向にあるお豆腐屋まで、徒歩数分でしょうか。
こちらの豆腐は個人だけでなく多くの飲食店で利用されていて、午前中には売り切れるとのこと。
調味料は塩と醤油、初めて頂く大桃豆腐を生(き)、塩、醤油で楽しみます。
豆腐料理専門店かと勘違いするほどの味わい、が先付けなんですか。
池袋のレベルが高いのか、この店のランクが高いのか。
豆腐を美味しく頂いたら鳥刺しの盛り合わせ、部位はももとむね。
周りは火を入れてありますが中は生、お客さんの体調や体質に合わせて、違う料理に差し替えられます。
が、今夜の二人は絶好調、よろしくお願いします。
醤油を合わせつつ、山葵と大蒜を合わせます。
山葵、大蒜の順に楽しみましたが、どちらも美味しくて、コース料理なのに一品追加しようとしたほど。
(実際は追加してません)
鶏肉はなんとも淡白、淡白な味わいの先にさらに淡白な味わいが潜んでいます。
ここで日本酒、用意されている銘柄は定期的に変わるそうです。
新潟の蔵元である白瀧酒造が醸す「上善水如(じょうぜんみずのごとし)」純米吟醸酒 R5BY。
友人に誘われた際にお店の情報を見て、鶏肉の味わいが淡白ならばこの銘柄が合うだろうなぁと考えていたら、用意されているし。
品質管理(?)からか一合瓶での提供、まるで友達の旅行土産を自宅で飲んでいる感覚。
続く鳥料理は、みつせ鶏の唐揚げ〜極上山椒〜。
サックサクの揚げを楽しむのが唐揚げならば、しっとりした食感を楽しむのがこちらの唐揚げ。
極上山椒の香りに包まれた鳥唐揚げの美味しさは、ここでしか味わえません。
一品料理を終え、焼きに入る前に大根の鬼おろしが用意されます。
焼き鳥屋ではお代り自由で提供されることもありますが、こちらでは一品料理の位置付け。
なんだけど、鳥焼きの合間にいただきますかね。
新しくコースに加わった、炭火焼き野菜盛り合わせ。
今夜の野菜はナス、シシトウ、ネギの組み合わせ。
瑞々しさを感じるカットに見惚れながら、さて、どれから焼きますか。
先ずはナスから焼きますか。
二枚乗せて焼き出し、片面が焼き上がったら残りの二枚を並べて焼きます。
手元に寄せてから余熱で芯まで火を入れて、と。
炭火焼きの野菜は久し振り、美味しいですね。
次はししとう、炭の場所が分かったので、一気に乗せて何度か場所を変え、焼き上がったのからいただきます。
友人がアタリを引いたみたいで、、未だかつて当たったことのない私。
残りはネギ、表面に焦げ目が付くように焼き上げ、芯は半生が好み。
手元に寄せたら、醤油を数滴。
いつのまにか日本酒が無くなってますな。
2杯目は、山廃で。
秋田の蔵元である齋彌酒造店が醸す「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ)」純米酒 山廃 R5BY。
年に何度か頂く雪の茅舎、味を分かっているつもりでしたが、一緒に飲む人によって味わいは変わりますよね。
鳥焼きは、ホルモンの盛り合わせから。
今夜の組み合わせは、はつ、砂肝、レバー。
薬味に山葵とシークヮーサー胡椒、シークヮーサー胡椒は初めてですな。
ホルモンは食べやすく、火が通りやすい様に半切りされ、砂肝はハート型。
十分な鮮度ですが、それでも良く焼きで焼き上げます。
シークヮーサー胡椒を付けて頂くと、爽やかな辛さがホルモンの旨さを存分に引き立てます。
続けての焼きは、みつせ鶏もも肉の鬼焼きと香草焼き。
鬼焼きは、特製唐辛子粉をふりかけてインパクトがあります。
香草焼きは、バジルと紫蘇を千切りと一緒にもも肉を焼き、最後にガーリックバターソースにつけて頂く一品。
どちらから焼いてもいいのですが、先ずは鬼焼きから焼きます。
唐辛子が片面にだけ乗せられていますけど、裏返して炭に唐辛子が落ちても大丈夫とのこと。
しっかり焼き上げてから頂くと、辛味より旨味優先の韓国唐辛子、鶏肉の美味しさ爆発。
続いて、香草焼きを。
ガーリックバターソースは、鶏肉と一緒に熱します。
こちらも鬼焼きと同じく、香草が炭に落ちても大丈夫。
焼き上がってから、ガーリックバターソースに漬けて食べると、これがまた美味しい。
そもそも鶏肉が美味しいから、あらゆる調味料に合うのでは無いかと。
鬼焼きと香草焼きを楽しんだら、次は日本酒。
新潟の蔵元である麒麟山酒造が醸す「麒麟山(きりんざん)」伝統辛口 R5BY。
先の日本酒と同じく、淡泊は味わいの鶏肉によく合って、美味しい。
日本酒で仲を繋いだところで、みつせ鶏のささみマヨ。
新鮮なささみを両面焼きし、特製マヨに絡めて二度焼きする一品。
ちょっと酔っ払ってきて細かい所作は難しいけれども、二度焼きくらいならいけるかな。
先ずはそのまま焼きます。
綺麗に焼けているささみを見ていると、このまま食べてもいいんじゃ無いかと。
芯まで火を通したらいったん引き上げて、特製マヨネーズに浸けます。
うーん、このまま食べてもいいんじゃないか、アゲイン。
網に戻して10秒ほど焼いて、焼き上がり。
エビマヨを焼いて食べる感覚のささみマヨ、味わったことの無い新感覚の美味しさ。
手間をかけるほど、料理は美味しくなりますな。
日本酒を飲み終わってしまい、最後に私はすだちハイボール、友人は生シークワーサーサワー。
スッキリさっぱりのハイボールとサワーを頂き、口の中の脂を流して、〆のラーメン。
鶏SOBA、塩と醤油。
単品メニューでは麺量が一玉、コースの鶏SOBAは半玉、丁度いい量に感じます。
トッピングは鶏もも肉チャーシュー、白髪ネギ、柚子、貝割れと同じです。
調味料は胡椒、七味、シークヮーサー胡椒。
なんなら塩と醤油も用意されていますが、まま、使わないでしょう。
スープは店内炊きの鶏白湯、炊き上がってからしばらく寝かせて落ち着かせていて、とても美味しい。
ラーメン専門店のスープと何ら変わらない味わいに感じます。
合わせる角中細麺は山口や製麺所、お店から徒歩数分の創業70年超の老舗製麺所。
この麺が実に良くスープに合い、とっても美味しい。
もちろんチャーシューは、鳥チャーシュー。
こちらもスープによく合って良い感じです。
丼を交換して醤油も楽しむと、醤油味も美味しい。
麺を殆ど食べたところでお楽しみの味変タイム。
シークヮーサー胡椒、辛さと爽快感とガラッとスープの印象が変わって楽しめます。
ラーメンを食べ終わったタイミングで「(デザートを)お出ししてよろしいですか」と声が掛かり。
本日のデザート、ちんすこう入りアイス。
食材のあちらこちらに沖縄色があるのは、オーナーの親族が沖縄に所縁があるからだそうです。
美味しい鳥焼き、美味しい日本酒をご馳走様でした。