
どんなに楽しみにしていても咲き始めるとあっという間に散ってしまう桜。
ラーメン屋の新店巡りと同じ様に一度訪問すると急速に薄れる興味。
コレクター気質の食べ歩きは皆そうなのか、そもそも人間はそういう仕様なのか。

お昼は、広州市場田町店@田町(港区芝浦)(公式ホームページ)(公式インスタグラム)へ。
オープン直後の2018/11に伺って以来、2度目の訪問になります。
一時、全店訪問を狙ったこともありましたが、調べてみると全8店舗中6店舗目。
ひょっといていけるかも(無理は出来ません)。

ランチタイムということもあるのか店内満席、店先に待ち行列が10人ほど。
入店待ちの間に店員さんが回ってきて、メニューを渡し、注文を取ってくださいます。
決して珍しい注文方法ではありませんけど、それなりに熟練が必要な接客。
毎日のことで慣れているんだろうと予想。

しばらくして「おひとり様、どうぞ」と屋台風のカウンター席へ案内されます。
席数を目視で数えると厨房に向かうカウンター9席、店内中央に屋台風のカウンター5席、
壁に面したテーブル席は30席、テラス席は14席、合計58席とオープン当初から増席されています。

お冷を持ってきて下さった店員さんが「ワンタンの食べ方は分かりますか?」と訊いてくださいます。
「大丈夫です」とこの歳になっても見栄を張る私、この性格は死んでも直らないのか。
卓上には黒酢、食べるラー油、塩しょうがダレ、玉ねぎダレ、大蒜醤油、黒胡椒、醤油、お酢。
雲呑用とラーメン用に用意されていますが、まま、どちらでどちらを使っても食べ手の自由。

注文しちゃってますが、改めてランチメニューを眺めます。
ご飯セットは、広州雲呑麺ご飯セット1,111円、わんたん大好きセットご飯セット950円、
粗びき肉汁雲呑麺ご飯セット1,177円、ミニ雲呑麺ミニご飯セット1,034円、
辛味ネギ塩肉汁雲呑麺ご飯セット1,144円、濃厚丸ごと海老雲呑麺ご飯セット1,221円。
定食セットは、油淋鶏わんたん定食1,166円、ランチ雲呑麺と餃子か焼海老雲呑のセット1,254円。

程なくして、私のためだけに調理してくださった、新玉ねぎ豚しゃぶわんたん麺1,045円、ありがとうございます。
あちこちの広州市場を食べ歩いていましたが、この限定メニューは初めてお目にかかります。
ところどころに調理の雑さが散見されるのが、屋台で頂くワンタンメンの雰囲気再現に感じます。

新玉ねぎは根元でくっついていて、たまたま切り損なったのか、敢えて切っていないなか分からない。
分からないけれども、豚バラ肉との相性抜群、スープとの馴染みもよく、とても心好い。
大抵は炒めて頂いている新玉ねぎ、煮込んで頂くのも美味しいですね。

細麺は(変わっていなければ)大黒屋の真空柳麺。
麺をスープに合わせたのか、スープを麺に合わせたのか、
この隙間のない相性が広州市場の繁盛の原点だと思うんだよねー

トッピングされていたワンタンは6個、ひとつ目は塩しょうがダレでいただきます。
(本来は蓮華を小皿の上に置いたままで調味料を乗せるのでしょうけど、撮影の関係もあって)
いやなに、大蒜醤油からイキたかったけど、仕事中だからと生姜からに日和った私。

ふたつ目は食べるラー油を胡麻多めで。
蓮華が大きめなのでスープも合わせるのも面白そうと、今さら気が付く私。

みっつ目はニンニク醤油、大好きなニンニクを合わせることを抗えずに。
どの調味料もそれぞれの美味しさがあって楽しく、合わせる順番でも味わいが変わって楽しく。

よっつ目は玉ねぎダレ、まま、久しぶりの広州市場ですから順番に味わいます。
どの調味料が一番美味しいかは食べるときの体調や気分に因ることが大きい。
今日は塩しょうがダレが一番美味しかったけど、最初に合わせたということにも関係あるのかも知れない。

数年振りに頂きましたが、あの頃の味わい、あの頃の接客が保たれていて嬉しい。
何でもかんでも前進したり、進化したりすることを良しとする風潮の現代。
変わっていないことは変わっていること。
スルッと食べてご馳走様でした。

仕事が終わって電車で帰宅、新宿で乗って町田まで座れない。
それじゃあと電車を降り、横浜線に乗り換えて古淵へ。
プレオープン中だし、雨の夜だし、営業していなかったらロケハンってことでいいか。

夜は、麺麺麺(トリプルメン)@古淵(相模原市南区西大沼1-1-12)(公式インスタグラム)へ。
2025/4/8プレオーブン、グランドオープンは12日か13日を予定しているとのこと。
立地は古淵駅から徒歩10分、麺屋蓮花の跡地。
店主さんは中華そばみやざきの元店員さん、ヘルプの男性店員さんは中華そばみやざきの元店主さん。

事前にインスタをチェックしていたので知っていましたが。
とりぱいたんは売り切れていて、中華そばと限定(煮干し)のみ販売されています。
個人的にはお店のドアが開いていて、店員さんにお目に掛かれればそれでいい。

店内に入ると調理場におよそ客商売に向いていないと感じている女性店主さんと男性店員さん。
「いらっしゃいませ」と驚きと嬉しさと恥ずかしさが複雑に入り組んだ表情で挨拶して下さいます。
口には出さずに心の中で「開店、おめでとうございます」と呟く私、このクセは死んでも直りそうもありません。
最新式のタッチパネル式券売機で食券を購入します。

とりぱいたんは売り切れですのでメニューから消えていて、とりそば中華900円からのメニュー。
ご祝儀を持ってこなかったので、ここはひとつ、お祝いの気持ちを込めて特製だろうな。

店内は調理場を囲む3席と5席のL時カウンター、窓側近くに2席の壁向きカウンター、
券売機の並びに2人掛けペアカウンターが2卓、計14席。
前客2人と雨だから空いていて色々と話が出来そうかと思ったら、後客7人と既に地のお客さんに認知済み。

コートを脱ぎ、店員さんの立ち位置と思われる前のカウンター席に座ります。
卓上にはブラックペッパーグラウンド、お冷やはセルフ、ティッシュケースはカミングスーン。
今にも倒れそうな水差し、箸と蓮華のケース、濃い水色のコップと、店内のおしゃれ感と合ってますね。

程なくして、私のためだけに調理してくださった、特製とりそば中華1,200円、ありがとうございます。
てっきりカウンター台越しに提供されると構えていたんだけど、ぐるりと回って両手で運んできて下さいます。
(ラヲタには「倒れそう」と不評な)見栄えが綺麗なスナフキンハットを逆さまにした白磁の丼。
麺が見えないほどのトッピングは三種のチャーシュー、メンマ、味玉、白ネギ、三つ葉。

先ずはメンマ、材木メンマが2本。
まだプレオープンですから味や食感の説明は「この日は」になってしまいます。
不揃いの長さ、固めの食感、あっさりめの味付け、このままグランドオープンに向かって欲しい。

スープとは「初めまして」感たっぷりでプレオープンならではの相性を感じる、三河屋製麺の細麺。
敢えて麺線を整えていないと思われ、丼の形状も相まって窮屈そうではあります。
こういった体(てい)を「短所」と取るか、「特徴」として感じるかは、食べ手の感性に因るだろうあぁ。

チャーシューは三種類、いずれも薄くスライスされ、2枚ずつ。
手前にトッピングされていた鳥もも肉のチャーシュー。
しっとり仕上げで、とっても心好い。

細長く仕上げられたのは鶏むね肉チャーシュー。
ぱさぱさ感を僅かに残してあり、スープとの相性がとてもイイ感じ。

一番奥に用意されているのが豚肩ロースチャーシュー。
低温調理だと思われますが、食べるのが遅くてしっかりスープを吸っています。

味玉は半熟タイプ、トロリとした黄身がとっても心好い。
味わいとは関係ありませんが、蓮華とサイズが合っていなくて撮影は困難。

美味しいラーメン、素晴らしいラーメン、特別な食材を使ったラーメン、調理に拘ったラーメン。
そんなラーメンは星の数より多い現代、そんなレッドオーシャンに巻き込まれることも流されることもなく。
私はあなたが調理したラーメンが食べたい、の思いでまた食べに来たい。
スルッと食べてご馳走様でした。

帰りも雨か、上がっていると良かったんだけど。