
おにやんまにて冷「並盛」とり天ぶっかけ420円。
東京、神奈川の立ち食い蕎麦で定番の乗せ物はかき揚げだと思っていて(人によって違うと思いますが)、うどんならとり天だと思うことにしています。
立ち食い蕎麦屋でのうどんを食べるのではなく、うどん屋でうどんを食べたい。

1並びの日(平成11年11月11日11時)に開店された笑の家(しょうのや)@白金高輪(港区南麻布)、もう15年前ですか。
前回訪問は2006年2月、満席に加えて店内待ち客も華麗に捌いていて、流石は六角家出身、と都内老舗家系店としての印象は鮮明に残っています。
今日行ったら建物と調度品は何一つ改装されておらず、看板の字は薄くなり、丸椅子のビニールはテープで補修されていました。
テーブルはお客さんに拭かさずに必ず店員さんが拭いていて、かなり磨き込まれていました。

そんな中で券売機だけは最新式で、このタッチパネル式って「ラーメン」「つけ麺」「トッピング」などとタブ切替になっていて、全体のメニューが一度で見られません。
とりあえずトップのラーメンのメニューはネギラーメン、ラーメン、チャーシュー麺、ネギチャーシュー麺、ちびラーメン、ピリ辛葱涼麺(売り切れ)となっています。
今風の麺大盛りサービスはありませんが、11時から18時まではライス10円(2杯目も10円)でサービスされていました。

ちなみに店先の国道一号線は、店の前だけ駐車禁止の規制が緩められていて、平日の19時以降と日祭日の終日は駐停車可能です。
店内はくの字20席のカウンター席のみ、ちゃんとした家系ラーメン屋は「店主さんが全てのお客さんを一望できる」必要があると思っていて、テーブル席を用意されていないことが多いです。
空いている席に座り、店員さんに食券を渡すと「お好みはございますか」と聞かれますので、「柔らかめで」とお願いします。

(麺柔らかめなのに)4分で配膳されたラーメン780円、家系ラーメンも780円スタートの時代かぁ。
家系ラーメンでは大きな板海苔を丼の端に差していることが殆どですが、六角家系では「寝かせて」トッピングされていて、確かに風には強いけど見栄えはちょっと残念です。
レンゲでスープを味わってみると、かなり塩気を強く感じます。

最新の家系(「スープを炊かない系」copyright(c)南極ゼット号さん)のスープから家系に入った人は、とてもしょっぱくて飲めないんじゃないかな。
しかしして、このしょっぱいスープこそが家系の原点であり、ラーメンショップのスープなのです。
こうした昔ながらのスープを提供される店もあり、現代風の口当たりの良いクリーミーなスープもあって、どちらかがどちらかを排除するのではなく、両方存在してこそ東京のラーメンシーンです。

麺は家系ラーメン御用達の酒井製麺の太麺、ちょっと下ブレされていましたが、そう言う日があってこそラーメンです。
チャーシュー、ほうれん草、海苔は相変わらずのクラシカル・スタイル。
スルッと食べてしまってご馳走様、ああ、美味しかった。

いずれラーメン二郎39店舗目へ訪問することになるだろうから、今年5月にリニューアルしたラーメン二郎新環七新代田店@新代田(世田谷区代田)へ。
以前に来た時とお店の印象が全く同じなのですが、何をリニューアルされたのか分かりません。
静かな佇まいで外待ちされているお客さんは10人、店内待ちは無いので1人2分計算で20分待ちか(実際には25分でした)。
寒くもない暑くもないちょうどいい感じで待っていると、店員さんが外まで様子を見に来て「食券を買われていないお客様、お先に買われてお並び下さい」と、声が掛かります。

いったん店内へ入って券売機へ、小400g700円、小豚800円、小豚W900円のみ。
大800gは100円増し(現金追加)、麺少なめ、半分も対応して下さるそうです。
いったん外に出て並び直し、しばらくして帰るお客さんと入れ替わりで店内へ、カウンター11席の中で空いている席を見つけて静かに座ります。
卓上には箸立てと割り箸しか用意されておらず、胡椒、唐辛子はともかく、レンゲも用意されていないとは。
しばらく待っていると「しょうのかたぁ〜」と声が掛かりますので「ヤサイニンニクで」とハッキリ発言します。

小700円、ヤサイニンニク。
全く同じ盛り付けは二度と無い、唯一無二の一杯、アート。
ほれぼれするアートを写真に収めたら、割り箸をパチンと割る音を響かせて、それでは頂きます。
野菜は半分がキャベツ、半分はモヤシ、茹で上げてからしばらく茹でおきされているので、すっかり冷えてしまっています。

ですがスープの熱さが辛い私にとっては、冷めた野菜はとても食べやすくて助かります。
しばらく野菜を食べると麺、府中に匹敵するほどの極太麺、当然、自家製麺、仕上げはかなりの固めです。
なぜかパサついていた豚、それでもしっかりとした味でごろごろと入っていて、美味しいなあ。

時々丼を持ち上げてスープを飲みながら食べ始め、時々飲んでおかないと、最後に一気に飲むのはかなり厳しい。
気が付くと完食していて、御馳走様でした。