
朝、始発電車を待つところから始まるのがラーメン修行ですが、今日はラーメン修行の体験版、ホテルのラウンジに集合です。
寝坊するヤツはいないだろうとは思いましたが、自分が一番最後という緊張感の無さ、これではいけませんね。
来る時は暗闇で、しかも道を探しながらだったので10分以上掛かったのですが、朝はうっすらとした霧の中を5分も掛からずに到着。

ふらわさんに言わせると「今日はもう帰る日」であり、緊張感はラーメンよりも「無事に帰る」ことを優先するとの教えでしたが、皆のテンションの高さを見ていると、まだまだ10軒くらいラーメン屋を回るんじゃないかと思うほど。
今日は朝ラーを食べて、そのあとで福島に立ち寄り、帰宅するルート。
ふらわさんに言わせると「超初心者コース」ではあるけれど、「家に帰るまでが修行」を胸に深く刻み込んで。

仙石線で仙台まで戻って、仙台からは仙山線で陸前落合まで、陸前落合からは山を背に真っ直ぐに歩くこと数分。
伊藤商店陸前落合本店@陸前落合(宮城県仙台市青葉区)、今年の夏に初訪問して再訪を近いながら、こんなに早く再訪できるなんて夢のようです。
改めて調べてみると、泉中央(駅からは徒歩1時間)に2号店を出店されていて、行かねばならぬ。

前回は平日でしたので直ぐに座れましたが、日曜日の今日は券売機待ちの混み具合です。
それでも奇跡的にテーブル席が空いていて、ホント、今回のラーメン修行では「自分の力ではどうにもならない座る席の場所」が上手くいきますね。
※十分に余裕を持って開店待ちすれば好きな席に座れますけど。
店内には朝7時30分からビールを飲んでいるお客さんもいますが、圧倒的に多い家族客、小さいウチからこんなに美味しいラーメンを食べられるなんて。

特にメニューの申し合わせはしていませんけど、全員が朝ラー500円、提供まで15分ほど掛かりましたがこの待ち時間の楽しいこと。
スープや麺の量、トッピング、どこ見ても朝ラーの麺相ではなく、朝ラー普及のためのサービスメニューとしか思えません。
紛れもない喜多方ラーメン、多加水平打ち太麺が深く透き通った豚骨スープが目覚めようとしている身体をまさに起こしてくれます。

ここは喜多方ではなくて仙台ですが、ここまで正統派の喜多方ラーメンを味わえるなんて、とても美味しい。
チャーシューは喜多方よりずっと美味しく仕上げてあり、朝ラーのクオリティを遥かに凌駕しています。
メンマとネギは理解に苦しむ程のロークオリティで、ここだけが唯一、朝ラー仕様ですね。

いゃあ、美味しかった。
聞けば私以外は「初めての朝ラー」だったそうで、朝ラーの発音からして色々と食べ歩いていると思っていました。
「初めての朝ラーが伊藤商店で良かったですね」とふらわさんが言っていました。

このまま山形に抜けるのではなく、仙台に戻り、東北本線で福島、郡山へ。
郡山ではコーヒーを飲んだり、辺りを散策したりして時間を過ごし、磐越西線で西へ。
今回のラーメン修行の目玉をあと一時間後に、つまり行程の最後に設定したのは「最後までテンションを切らさない為」とふらわさんは言っていたけど、彼らを見ていると、28時間前に集合した時のテンションをずっと維持している。
維持しているという表現は適切ではないか、あまりの楽しさにテンションが上がりっぱなし、ホント楽しそう、ホンのわずかにうたた寝する顔でさえ楽しそうです。

会津若松駅下車、一人で来ていたらお店までダッシュするところを「目の前に見える大きな看板の先にお店があるんだよ」と、誰よりもはやる足を抑えつけて。
ラーメン二郎会津若松駅前店@福島県会津若松市、いやはや、計らずともラーメン二郎39店舗全店舗訪問。
ま、来月に移転店が蒲田にオープンしますけど(祭は無いらしい)。

並んでいないとは思っていませんでしたが、並んでいても10人程度かと思っていたら24人とは、「一度でいいから(噂に聞く、雑誌で見たことがある)ラーメン二郎ってのを食べてみたい」のお客さんでしょうか。
若い女性客は今までのラーメン二郎歴で一番多いイメージ、会津若松のラーメンシーンに詳しくないのですが、ラーメン屋に1時間並ぶのは「よくあること」なのでしょうか、並ぶこと自体がファッションなのでしょうか。
※ちなみ東京では「外待ち」こそがファッションなので、外待ちしていないと「繁盛していない」と評価されます。

一時間ほど並んで店内へ、券売機はこれ以上は無いと思われるほど潔い「小、小豚、大、大豚」の四種類、トッピングも無し、シールも無し。
店内中央の広い厨房、正面と左手に沿ってカウンター14席、右手には二卓の小上がりが用意されていて、ラーメン二郎で小上がりがあるお店って初めてです(他の店舗にあったら教えて下さい)。
厨房は大柄な男性店員が二人、どちらか(または両方)の母親と思われる女性店員さんが下げ膳、食器洗いを手伝っていました。
10席ほどの店内待ち席に座って待っていると、麺の量を聞かれ、さっとプラ券を持ち上げつつ「麺少なめで」のコールも忘れずに。
続けて人数を聞かれ、少し待って下さいと言われ、後の二人を先に空いていたカウンター席へ案内されていました。
これはひょっとして、、4度奇跡が起こって(4回も起こったら奇跡じゃないだろ、的な)小上がりへ、ホント、Sさんのヒキがここまで強力とは。
私とSさんは手慣れた手つきで清水器からコップに水を注ぎつつレンゲを取って小上がりへ、ラーメン二郎が年に一回か二回のSさんと、14年振りのSさんも「門前の小僧習わぬ経を読む」がごとく、淀みなくオペレーションされて小上がりへ。
大切なのは「他のお客さんに迷惑を掛けないこと」ではなく「迷惑を掛けないように気を付けること」ではないでしょうか。

席に着いて食券を卓上に並べていると、店員さんがメモを持って無料トッピングを聞きに来ます。
ラーメン二郎では「茹で野菜」「刻みニンニク」「背脂」「醤油ダレ」を無料トッピングできますので、店内にその旨を告知されていますが、ある一定以上北にの店舗では貼り出していません。
個人的な推測ですが、無料と聞くと(書くと)「食べなくては損」とばかりに頼んで無理矢理食べたり残す人が多いので、敢えて告知していないのだと思っています。
どんな料理でもその人なりの適正量があって、先ずはお店の標準を確認し、その後、増減されたらどうでしょうか。

並び始めてからジャスト一時間で小650円、なんとも綺麗な麺相です。
野菜は殆どがモヤシですが、それなりに混ぜているキャベツをトップに持ってきているのはたまたまなのか、計算ずくか。
茹で立て感の残る食感が、そのままでも美味しいし、スープに浸けても美味しいし。

非乳化のラーメン二郎スープ、エフゼット製の醤油ダレを強めに効かせていて、これは関東人好みの味付け、と言うより、関東からの「お客さん向け」の味付けではないでしょうか。
※店主さんは新小金井店出身ですので、「この味が東京の味」と言えばそうなんですけど。
平打ち極太麺はかなりの固め仕上げ、どんなにゆっくり食べても伸びない麺と言えなくもなく、つるりとしてとても食べやすいのですが、ラーメン二郎で食べやすいのは何かが違うんじゃないかと。

豚は標準的な大きさと味付け、スープに浸しながら食べるととても美味しいです。
目をつぶって食べたら、ここが会津若松であることを忘れてしまうほど

女性客が多いからとは関係なく、女性客にはウズラの茹で卵が一つ、サービスされていました。
店主さんの出身店でも時々見かけられた光景、会津若松の地にも持ち込まれていましたか。
スルッと食べて御馳走様でした、二日続けてラーメン二郎直系店を訪問したのは初めてです。

会津若松駅からあいづライナーには乗りそびれてしまったので、各駅停車で郡山まで。
郡山でしばらくウインドウショッピングをしてから新幹線の予定でしたが、指定席が夜遅くの便まで売り切れている混雑を鑑み、すぐに特急券を買って新幹線ホームへ。
車体の写真撮影の為に一本乗り過ごして乗車しましたが、自由席は満席で、なんとか早めに座る手立てがなかったわけではありませんけど、乗り降り口付近でプレ反省会。
一時間ちょっとだからな、こんなコトなら大宮までの切符にすれば良かったか。

上野駅に着いて、駅構内のアイリッシュパブで反省会、二日間お疲れ様でした。
と疲れた顔をしているのはふらわさんだけで、他のふらわ会メンバは「帰宅するまでが修行」を守るべく緊張の糸をほぐしたりしません。
フィッシュアンドチップスを食べ終わった辺りで席を立ち、各自の自宅へ向けた電車に乗り換えるタイミングで散会。

東海道線で平塚駅まで乗り換え無しで戻ってきて、駅まで迎えに来てもらっていた女房にピックアップしてもらい、帰宅。
車中から磐梯山を眺めた以外の観光は全くしなかったのは私的には全く問題なかったのだが、ふらわ会メンバにはどう感じただろうか。