
ラーメン修行では一泊4000円以下に泊まるのを目標にしているけれど、だからといって1000円とか500円とはか怖くて泊まれません。
昨日の宿泊は3900円のカプセルホテルでしたが、なんと部屋にテレビが無くてびっくりしました。
宿泊にテレビは必須ではないけれど、BGM代わりに付けておくことが多いのです。
テレビ以外の施設もちょっとアレだったので、もう、泊まることはないだろうな。

今日は午後から社員旅行に合流するので、ラーメン修行は午前中だけ、となると(とならなくても)行かなければならないラーメン屋さんがあります。
新福菜館本店@京都府京都市下京区、噂では景観条例に従う形で店先をリニューアルされたとか、よく見ると隣のラーメン屋さんも黄色から白色に変わっています。
茶色では全く雰囲気が出ないけど、この色から始まる人もいるわけだなと入り口の戸を開けると店内は今までと全く同じ、入り口だけリニューアルしたんだ。
一人で来店した旨を伝えると、「こちらのテーブルへどうぞ」と案内されます。
カウンター3席に4人掛けテーブルが6卓の構成、一般的に、カウンターとテーブルがあるお店の場合、一人客はまず間違いなくカウンター席を勧められます。

しかしこの店は「一見さん」はテーブル、お馴染みさんは勝手にカウンター席、になっています。
私もそうでしたが、一人観光客がカウンターに座ろうと足を進めると「テーブルへどうぞ」と案内されていました。
消費税増税後も値段据え置きのメニュー、ラーメンとヤキメシ、どんぶり物が一つ。
トッピング増しはメンマしかメニューに書かれていませんが「ネギ、アカ」「シロ、ネギヌキ」とかオーダーしているお馴染みさんもいるし。
店内に入るやいなや黙って座ってスポーツ新聞を広げるとビールが運ばれてきて、「いつもので?」とお店側がお客さんにオーダーを確認している場面も。

先ずはヤキメシ500円、オーダー時に「少なめに出来ますか?」と聞いたら「ウチは普通と大盛だけです」と断られましたが、気持ち少なめにして下さった様です。
醤油というかチャーシューの煮汁と思われるスープで炒め上げられたご飯、米粒一つ一つがパラッパラで、とても美味しい。
ここのところ、ずっとインスパイア店(末廣本舗)でしか食べていなかったので、こうして本店で食べるととても嬉しいです。
ちなみにヤキメシだけでオーダーすると、中華スープ(ラーメンスープ)が付きます。

半分ほど食べたところで中華そば(小)550円、しばらく会わないうちにこんなに美味しそうになってしまって。
豚ガラ、鶏ガラの清湯スープに中細ストレート麺、殆ど塩辛さを感じずに甘ささえ感じる味わい。
この味は今日だけなのか、味を変えたのか分からないのですが、かなりあっさりしています。

中太麺と感じるほどのまあるいストレート麺、するすると頂きます。
トッピングはスライサーて薄切りしたチャーシュー、茹でモヤシ、九条ネギ、バランスを越えた量です。
途中からヤキメシと交互に頂いて、ご馳走様でした。

隣のお店に入って連食しても構わないけど、まあ、それはいつでもできるので、丹波口近くのお店に向かって歩き出します。
お昼の営業時間までまだ時間があるので、途中でコーヒーショップがあったら、できれば全国チェーン店ではなくて、入りたい。
Pulito Bellezza、コーヒーショップというか気軽なレストランでしたが、コーヒー350円のみでも注文を受け付けてくれるというので。

時間になったのでお店を出て歩くこと10分、住宅街(?)にあるセアブラノ神@京都府京都市中京区へ。
もう一つの候補のラーメン屋さんがあって、どちらにするか(両方にするか)悩んでいたら、この世の中で唯一頭の上がらない女性から哀願(ツイート)され、こちらへ。
入り口右手に券売機があって、メニューは背脂煮干、背脂まぜそば、豚骨煮干つけ麺、背脂無しの煮干しそば、夜限定で豚骨魚介つけ麺。
背脂は大盛50円、鬼脂100円と有料なので今回は見送りました。
食券を買って店内へ、ラーメン屋とは思えない小綺麗な店内、カウンター8席に小上がり1卓、間口からは想像出来ない広さ、店名からは考えられない床の綺麗さ。

こういうラーメン屋に一人で来ると、「なんでオレって、独りでラーメン食べてんだろ(泣)」とじっと手を見てしまいます。
に反して、厨房と言うか客対応はかなりバタバタで、オーダーミスや配膳間違えがいつ起きてもおかしくないほと、慌てています。
繁華街からはちょっと外れているので、お客さんは通りがかりに見かけて入店されたのではなく、わざわざお店を探して来店されたのだろうから、一分一秒を急いで提供する必要なんかないじゃないかな。
むしろ待たされた方が、ありがたみも美味しさも増すと思うけど。

程なくして背脂煮干そば700円、どうでもいいけどテーブルクロスは自宅のと同じです。
丁寧に煮出した煮干出汁に醤油を柔らかく合わせたスープ、砂より細かく背脂を仕上げて舌触りも滑らかでとても口当たりが良く、この辺りの優しさに京都のラーメンを感じます。
一番手のブレも無いほど太さと長さが整った太麺、つるりとした噛み応えがスープと高相性で、店内の落ち着いた雰囲気と相まってとても美味しくいただけます。
隠し包丁を入れて食べやすくしたしっとりチャーシュー、メンマ、刻み赤玉ネギ、青ネギ。

全体的にバランスが良く取れたラーメンでとても美味しいのですが、背脂たっぷりの燕三条系とは異なります。
麺相や食べ応えは酷似していますが、ラーメンを受け取る時の「外は寒かったろう、ウチのラーメン食べて暖まりな」の気持ちが私には伝わって来ませんでした。
京都の冬はかなり寒いので、冬に食べ来たらまた違った印象だったかも知れません。
食べ終わる直前に卓上に用意してあった黒七味を振ってみましたが、これがまた抜群の相性、最後の一滴までご馳走様でした。

社員旅行としての集合場所であるホテルのラウンジで集合し、午後の予定である「各自、京都を散策」をスタート。
社員旅行と言えば団体行動、と信じ込んでいる人も多いでしょうけど、ウチの社員旅行はかなりの部分が「自由時間」です。
思い思いのコースを回る人や、何人かで団体行動する人や、私はと言えば、目に付いたバスに乗って銀閣寺を目指します。
お寺に着いたところで休憩、世續茶屋というお店で人生何回目かのソフトクリーム300円なんて食べちゃったりして。

改めて説明は要らない銀閣寺、世界文化遺産である東山慈照寺、パンフレットには「Ginkakuji Temple」と表記されていますが、外国人観光客向けのガイドさんは「シルバーパビリオン」と説明していました。
今では完全に観光客向けの順路が整備されていますが、当然そんな観光客のことは全く想定せずに建物や庭を設計してあるわけで、それでもしっかり馴染んでいるのは凄いことだと思う。

誰の何の為に用意されたか分からないけど、山の中に散策路があって、散策路から紅葉越しに眺める銀閣寺がとても素晴らしい。
願わくば午前中に来寺して、東からの光線の中で見てみたかったけど。

銀閣寺を観光したら、どうしたって哲学の道を歩く必要がある。
琵琶湖疎水(そすい)の分線沿いの桜並木約2キロの散策路、完成は明治中期ですので、周りの国宝とは400年近くの隔たりがあります。

桜の季節が一番奇麗だろうけれど、紅葉の季節も捨てがたく、色とりどりの葉が西日によく映えます。
平日と言うこともあってそう多くない人通りでしたが、一人と言うこともあってゆっくりと散策できました。

哲学の道が終わったら南禅寺、この観光コースは私にとって何者にも侵されたくないパッケージ、一人でしか行けません。
なぜこんなに大きな門が必要だったのか私には全く分かりませんけど、どこから作り始めてどこを作ったら完成だったのだろうか。

宴会場は河原町なので、バスに乗っても歩いていってもあまり時間が変わらず、街中の散策を兼ねて徒歩で。
大きな商店街を歩いている時に行きすぎてしまい、それでも何とか時間には間に合いました。
麩屋町左近太郎(ホームページ)、京都に居酒屋が何軒あるのか分からないけど、8年ぶりに京都で飲むというのに、なぜ同じ店になるかな。
京の台所である錦市場を望む元商人宿の町家を改装した店内、お店の場所自体が分かりにくく、店内はさらに分かりにくいけれど、その分かりにくさの先にしか分からないものがある。

アラカルト用のメニューも用意されていますが、基本的にはコース料理をお願いするべき店であり、予算と好みだけ伝えるべきだと考えます。
当たり前ですが飲み放題とか以ての外ですが、宴会利用であれば敢えて飲み放題として「酒にうるさいヤツ」の口封じもいいでしょう。
何でもかんでも「美味しければいい」「食べたいように食べる」と言われてしまうと、まあ、そうですね、とかしか答えられませんけど。

飲み放題のビールはハートランドしか用意されていませんが、ここは京都、サントリーのお膝元、キリンやアサヒがメインだと幻滅してしまうのではないか。
料理は冷たい料理から温かい料理の順番で提供されますが、本当だったら大皿ではなく一品ずつ盛り付けて欲しかったなぁ(宴会なので無理ですが)。

秀逸でしたのは湯葉を作った豆乳の料理、料理名の説明を受けましたが、料理があまりにも美味しくてすっかり忘れてしまいました。
わずかな甘みをまとったしっかりとした豆の味わい、ビールと日本酒にしておいて良かったです。

最後のデザートには無花果が使われていましたが、この辺りまで来ると宴たけなわ、時計を見ながら二次会をどうするかの話になってきます。
なんか色々とイベントありましたが全てハズレ、荷物になるから要らないけどね(負け惜しみ)。

宴会が定刻に終わって、定刻に終われば閉店時間に間に合うと、大通りにでてタクシーに乗り込むもラーメン屋さんの場所を知らないという。
アイフォーンの住所を読み上げてカーナビに従って走行、5分ほどで拳ラーメン@京都府京都市下京区に到着しました。

閉店まで30分を切っているので、麺切れ、スープ切れもあり得ますが、それはそれで仕方ないと店内へ入ってみます。
先客数人、後客数人、閉店までノーゲスにはならない程なのは流石だと感じました。
厨房を囲むカウンターは9席、テーブルは8人掛け、空いていたカウンター席に座ってメニューを眺めていると店員さんがお冷やを持ってきて下さったので、お冷やを一口飲んでからオーダーしました。
メニューは塩系、醤油系、豚ニボ、汁なし担々麺、味噌つけ麺と揃っていて、汁なしはあるけど汁ありは無いんだ、とか、味噌はつけ麺だけなんか、とか、店主さんのただならぬこだわりを感じます。

程なくしてにて拳ラーメン(塩系)700円。
季節の魚介を初めとしてオマール海老、鯛、鮪などの個性の強い出汁を絶妙なバランスで合わせたスープ、店主さんの前職を考えれば「この位はやるでしょ」的な美味しさです。
麺屋棣鄂製の極細麺はやや茹で時間が長かったようで、この辺りは写真なんて撮っていないで提供されたらすぐに食べろよ、とも思いますが。
レアチャーシューは部位の違う二種類をトッピングしてあり、材木メンマ、三つ葉、白髪ネギに糸唐辛子。
いやはや美味しいですね、ご馳走様でした、飲んだ後ではなく飲む前に食べてみたいです。

入店前は「友達に紹介されました、って挨拶させて頂こうかな」と考えていましたが、京都のお店は一見さんには敷居が高く、余所者には一歩も踏み込めない空気感。
ラーメン修行がまだまだ、いや、全く足りていないと痛いほど感じて、レジで会計する時もお金だけ払って帰る、と。
今日はホテルまで歩いて帰ると、夜風がとても心地よかったです。