
品川駅に降り立つ度に、蕎麦つゆの香りに後ろ髪も前髪も引かれっぱなしです。
その香りに抗えない朝が時々やってきます。
朝は、常盤軒品川22号店@JR品川駅山手線ホームへ。
1年ぶりくらいの訪問になります。

前回訪問時の券売機を見比べると、何も変わっていないかな。
いや、単品いか天170円、単品きつね70円、単品とんかつ240円が無くなっています。
ま、組み合わせ済みのメニューは残っていますので、実害はないんでしょう。
店内には二人ほどの先客、店内中央の柱の左側の受付に、「ネギ多めで」と添えて食券を店員さんに渡します。

お冷やを汲んで、食べるテーブルを探して待って、かき揚げ460円。
気前よく大盛りされたネギ、ネギの苦味と辛味が蕎麦全体を支配しますが、望むところです。
蕎麦つゆは辛味が利いていて、大きな意味では「これぞ、江戸の蕎麦」な趣き。

そば殻までひいたお蕎麦、美味しいってことでは無いけど、大好きなお蕎麦のひとつ。
ホットサンドの様にプレスされたかき揚げは唯一無二、こちらでしか食べられない逸品。
美味しくいただき、ご馳走様でした。

夜は、カウンターアタック@青葉台(横浜市青葉区青葉台2-11-2)へ。
青葉台駅から徒歩5分、麺ロード青葉台店の跡地に、2021/4/1オープン。
御天もえぎ野店の店長が独立した、博多長浜豚骨ラーメンもえぎの@藤が丘(未食)の移転とのこと。
営業時間は不明ですが、17時からの夜営業のみだけの様子。

店内は居抜きのままの様で、入口近くに4名ほどのテーブル席、左側は厨房に面したカウンター8席。
先客5人、後客多数、ワンオペの店長さんがそつなく回されています。
御天出身という事で、私以外のお客さんは全員飲んでいらっしゃいます。
席に着いたら、店主さんの手隙を見定め、口頭注文後会計。

メニューはとんこつラーメン700円、トムヤムとんこつラーメン850円の2種類のみ。
トッピングは生にんにく50円、のり・きくらげ・もやし100円、半熟煮玉子120円、
ねぎ・ザーサイ・メンマ・キムチ160円、チャーシュー210円。
おろしニンニクや辛子高菜を無料サービスする店もあれば、有料とする店もあって、色々ですね。

飲物はビールとサワー、日本酒の銘柄が気になります。
麺の茹で加減が選べる告知は、店内には見当たりません。
それでも、後客は「ハリガネネギ」「のりかため」と何も見ずにオーダー。
もえぎの時代からのお馴染みさんなんだろうな、藤が丘と青葉台は近いってことだな。

卓上にはごま、激辛からし高菜、紅しょうが 特製ラーメンたれ、辣油、酢、醤油、コショウ。
高菜や紅生姜は乾燥しがちなので、蓋がある容器に保管されているのは嬉しいですね。
もちろん、開店から閉店までお客さんが途切れないような繁盛店であれば、蓋などする必要はありません。
とか飲食店経験の無い私が言っても、信憑性も説得力もゼロですな。

程なくして、トムヤムとんこつラーメン850円、もえぎ素人の私は麺の茹で加減は普通で。
(トムヤムクンではない)トムヤムスープをブレンドしてもなお匂い立つ豚骨臭、味覚神経を麻痺させるほどの旨さ。
元々旨いとんこつスープにトムヤムスープの辛味と酸味を加えると、こんなに旨くなるんだ。
旨いねぇ、飲んだ後に食べたらどんなに幸福になれるだろうか。

そのとんこつスープを味わうためだけに存在する、細麺。
スープに溶け込むように、スープが溶け込むように、するすると啜れる美味しさ。
トッピングは豚バラ肉チャーシュー一枚、焼海苔一枚、分葱。

そのまま一気に食べきってしまいそうになるのを思いとどまって、お楽しみの味変タイム。
定番のからし高菜と紅生姜を入れ、全体をよく馴染ませると、旨さ倍増。
スルッと食べてご馳走様でした。

先の店から、さらに駅から離れる方向に5分ほど歩きます。
遅めの夜は、つけ麺 ががちゃい 青葉台店@青葉台(横浜市青葉区青葉台1-29-12)(公式ホームページ)へ。
ラーメン大桜青葉台店(2002?-2021/1/31)が、2021/3/8にリニューアルオープン。
つけ麺専門のラーメン大桜の姉妹店として、中山駅前店に続く2店目、かつて向ヶ丘遊園にもありました。
「ががちゃ」とは、庄内地方の方言で「母親」、「お母さん」の事を言い、「ががちゃい」は「ががちゃの家」、「お母さんの家」という意味になります(公式ホームページより)。

(入口は一つしか無いのに)店内に入るとしばし放置、うーん、今のご時世、勝手に座るわけにはいかないし。
「すみませーん」と声を掛けると、5人の店員さんが一斉に「いらっしゃいませ」と歓迎して下さいます。
(ああよかった)「何人様ですか」「一人です」「カウンター席へどうぞ」
席配置は、厨房に面したカウンターが4席と3席、4人掛けテーブルが5卓、計27席。

席に座った途端に「お決まりですか」と声を掛けられ、戸惑いながら「決まっていません」と応えます。
メニューはつけめん830円、中盛(一玉半)120円増し、大盛(二玉)200円。
つけ汁は5種類から選べ醤油、塩、味噌、辛味噌、黒、全て同額。
つけめん以外に、とりとん醤油ラーメン810円。
サイドメニューの「ががね」「ががも」って何だろう。
公式ホームページで説明されていると思い込んでいて、お店で確認しませんでした。
豆腐料理のレパートリーが多いのも同様に未確認、何か理由があるのだろう。

店員さんに声を掛けて注文すると、「麺は冷たいままと、温かくも出来ますが」と訊かれます。
特別にどちら、と言う思いはありませんので、基本の冷たい麺で。
つけ麺は冷たい麺から始まったので、麺を温かくする「あつもり」という呼称はあっても、冷たいのは呼称がありません。
「ひやもり」と呼ぶ店舗もありますが、一般的とは言えないよなぁ。

先客5人、後客3人。
卓上には、本醸造しょうゆ、酢、ブラックペッパーグラウンド。
全席にパーティションが設置されているので、ウォーターポットや箸、ティッシュ、調味料が全ての席に必要です。
箸置きにテプラが貼られていますが、箸を気を持って回さないとなんて書いてあるか分からないんだよね。

少し待って、つけめん(醤油)830円。
麺の丼は流行の切立丼、ラーメンと共用するからかな。
つけ汁のお椀にレンゲを入れてあるけど、海苔で支えているお店は初めてです。
白濁した豚骨、鶏ガラなどを主体としたつけ汁は、塩気を強めに感じ、美味しさより差別化を先に感じてしまいます。

つけ麺にしては少数派になる中細麺は麺線を整えること無く、つけ汁とは好相性。
麺量が240gであっても、軽く食べられそう。
つけ汁の中には小切りされたチャーシュー、メンマが沈めてあり、麺を手繰りながら楽しめます。
他のトッピング(?)は焼海苔のみで、オールドスタイルと言えば聞こえは良いけど、少し工夫があると嬉しいかな。

あっという間に麺を食べ終わってしまって、スープ割りをお願いします。
割スープは専用の湯桶に注がれて渡され、レンゲに乗せて少し味見すると、「割スープ」ではなく、つけ汁そのものに感じます。
冷え切ったつけ汁に割スープを注ぐと温度がグッと上がり、卓上の七味を、、って七味はないので、そのまま飲みます。
スルッと食べてご馳走様でした。

町中の夜桜を撮ろうとすると、どうしても家屋が映り込むし、街灯が明るすぎる。
みんなどうやって撮っているのか、それとも撮らないのか。
私は同じ理由でおそばにネギは入れませんが、望むところというのがふらわさんらしいですね♪
なるほど。
お蕎麦やラーメンでネギ抜きする人って、そういう感じなんですね。