2021年11月17日

美味しいのその先へ

/白河そばにてかき揚げ天/六本木 三宅輝/

クリックすると拡大します

 朝は、白河そばへ。
 久し振りの朝そば、勤務先近郊、なんなら勤務先通勤途中にゆで太郎が無いので、ホント久しぶり。
 立て看板には「元祖 塩だし」とありますが、そもそも「塩だし」が分かっていない私。

クリックすると拡大します

 一期一会 お客様へお願い
 当店は、お一人ずつ御注文をおききしております。
 前の方がすんで、店の者が御注文を御伺いするまでお待ち下さい。
 種物は沢山の種類があるので、まずはかき揚げから。

クリックすると拡大します

 店内に入り、受付兼配膳場所に先客がいたので、そっと並びつつ、店内のメニューを眺めます。
 おそばにうどん、ご飯物も豊富に揃っています。
 全席立ち食いスペースで椅子は一切用意されていません。
 卓上には醤油と一味。

クリックすると拡大します

 受付で注文し、前金を払って、かき揚げ天570円を受け取って空いているカウンターに落ち着きます。
 かなり前に塩だしのお蕎麦を食べた記憶がありますが、いつ、どこだったか、全く覚えていません。
 昆布などを薄く引いたと感じる塩だしの蕎麦つゆ、温度が低めなのは私の好みのよく合っています。
 醤油を基本とした蕎麦つゆに比べると、香りが抑えめに感じます。

クリックすると拡大します

 お蕎麦は柔らかめでエッジはなで肩、お蕎麦の比率は分からないけど、蕎麦つゆとの相性はとても良い。
 やや揚げ置きに感じられる食べ応えで、蕎麦つゆと不思議と同じ温度帯。
 青ネギとゴマがかき揚げに乗せられているのが独創的です。
 美味しくいただき、ご馳走様でした。

クリックすると拡大します

 今夜は縁あって六本木 三宅輝
 料理には美味しさの先があると知らされた夜。
 店主の実家は美濃焼の窯元だとか、店主が農林水産省から任命された日本食普及の親善大使とか。
 そんなことはすっかり忘れて、料理と料理に合わせたお酒を楽しみました。

クリックすると拡大します

 お店は駅からはちょっと離れ、喧噪を嫌った裏通りに佇んでいます。
 ですが、六本木や銀座で、ファサードに惹かれて「ふらりと通りすがって立ち寄る」ってことがあるんだろうか。
 少なくとも私は、事前にお店を調べ、予約して伺います。
 計らずとも、今夜は二人で貸切。

クリックすると拡大します

 バックカウンターに包丁が立て掛けられるのは、日本料理屋でよく見かけること。
 包丁の一本が、サインが書かれた木の鞘に収まっていているのが目に留まります。
 芸能界のことに疎い私でも分かる、志村けんさんのサイン。
 お店の創業と深く関わり合っているそうなので、伺ったら大将に訊いてみて下さい。

クリックすると拡大します

 料理は24,000円のコースのみ、飲物代は別ですので、一人3万円では収まりません。
 ま、それはそれとして、プレミアエビスで乾杯。
 瓶ビールであっても、飲む相手と、飲むお店で味が違いますね。

クリックすると拡大します

 乾杯して、ふっと椅子に深く腰掛けると、「本日は一色の鰻です」と。
 目を合わせると食べられないので(ホントか?)、そっと覗き込むと、鰻が泳いでいて。
 二人で一匹は食べられないな、と余計な想像。

クリックすると拡大します

 香箱蟹。
 スナックエンドウの新芽を添えてあります。
 先付けとか八寸は用意されておらず、一品目が蟹。
 蟹が最上位料理のお店もあるというのに、蟹が基本の味のお店なんだな。

クリックすると拡大します

 菊花蕪 海老真薯 生木耳 ばちこ。
 二品目に椀物が出されたので、懐石料理と理解しました(違っていたらごめんなさい)。
 蕪に施された飾り包丁が細かすぎて、見た目も驚くけど、味も驚きの広がり。
 こんなに薄くて、こんなに濃いお椀、世の中にあるのか。

クリックすると拡大します

 一杯目は、奈良のみむろ杉。
 飲物は完全にお任せ、といいますか、飲物のリストが見当たりません。
 言えば出してくれるのかも知れませんが、「日本酒でお願いします」とお願いした一杯目。
 日本酒の量は2勺ほどで、料理に合わせて一口で飲めるほどの量。

クリックすると拡大します

 本まぐろ。
 青森で水揚げされた本まぐろ、山葵と水穂を添えてあります。
 魚の刺身に醤油を付けず(軽くヅケてはありますが)、山葵で香り付けだけして頂くのは初めて。
 鮪の香りを楽しむ一品、美味しいの先の味わいを感じます。

クリックすると拡大します

 その鮪に合わせるのは福井の黒龍。
 料理毎にお酒を替えられれば理想だけど、この店では理想では無く基本です。
 美味しいお酒をつい飲み過ぎたり、美味しい料理にお酒を忘れたりすることがありません。

クリックすると拡大します

 サワラ 松茸 栗 酢橘味噌。
 炭焼きした三重県産のサワラに、白味噌と卵黄を合わせた酢橘味噌を合わせ、松茸を乗せ、焼き栗を削って散らす。
 松茸と焼き栗の間に挟む、フィンガーライム。
 松の葉で刺した銀杏も素晴らしく、こぼれ落ちた焼き栗をひとつ残らず拾って食べる夢を見る。

クリックすると拡大します

 焼き魚に合わせるのは、秋田のゆきの美人。
 火入れされた日本酒は冷蔵庫では無く常温保存、日本酒も瓶もちょうど良い温度。
 一口で日本酒を飲むと、継ぎ足してくれるかなと構えていると、継ぎ足してくれたりされなかったり。
 こちらが構えている以上に、細かく構えています。

クリックすると拡大します

 墨イカ 輝キャビア。
 お品書きには食材しか書かれていないので、どんな料理かは目の前の調理から目が離せません。
 墨イカは一口で食べられるほどに切り分けられ、温かいご飯に乗せられ、芽ネギが添えられています。

クリックすると拡大します

 輝キャビアは宮崎キャビアの自家製キャビア、何が自家製かと訊けば、チョウザメを養殖しているとのこと。
 その自家製キャビアのケースの形に合わせて焼いたお皿というか器、そこまでするのか。
 貝のスプーンですくい、墨イカに乗せて頂きます。
 言葉って必要?美味しいって表現であってる?どちらも正しくないと思う。

クリックすると拡大します

 日本酒縛りでお願いしたのに、酒米の山田錦で造った米焼酎。
 キャビアには焼酎が合うんじゃないかと勧められ、これが目がまん丸になるほど合います。
 一体全体、どうやって料理に合わせているのかと訊くと、基本はあるけど、結局は感性だと。
 その感性をどうやって磨くのかが知りたいのだよ。

クリックすると拡大します

 松葉蟹。
 厚手の茶碗みたいなのを炭で熱し、中に味噌仕立ての野菜を詰め、松葉蟹をしゃぶしゃぶのように楽しむ。
 料理名を訊くと、「小鍋風とでも申しますか、そもそのその食器自体に名前がありませんので」と。
 蟹が二回出てくるコース料理って、あるんですね。

クリックすると拡大します

 小鍋には合わせるのは、福井の白岳仙。
 この銘柄は初めて飲むなぁ、料理に合うなぁ、特に鍋料理に合うなぁ。

クリックすると拡大します

 鱈白子 いくら。
 どこに白子が、って料理ですが、生の鱈白子を春巻き仕立てにし、いくらをかくしてあるとのこと。
 色々な白子を食べてきましたが、白子の春巻きを食べたのは初めて。
 いやいや、私が食べた料理なんて、料理全体からしてみたらほんの僅かなんだろうな。

クリックすると拡大します

 ここで福島はしもふりロ万 純米吟醸うすにごり原酒。
 白子という味がハッキリした食材に、うすにごりの酸味が合うんじゃないかと、、合いますよ。
 個人的には、ロ万に四合瓶があった方が驚くが。

クリックすると拡大します

 山形牛シャトーブリアン 黒トリュフ。
 牛肉の銘柄(生産地)を指定するお店(料理人)はよく見かけますが、銘柄だけでは無く生産者を指定しています。
 同じ山形牛でも、生産者によって霜の入り方が異なり、出来るだけ霜が入っていない赤身を選んでいるとのこと。
 その赤身のシャトーブリアンを炭火で焼き上げ、根室産の雲丹をのせ、トリュフを削って、花咲カリフラワーを添えて。
 ソースは無花果のソース、素晴らしい味わいに二人とも言葉を失う。

クリックすると拡大します

 牛には牛と、和歌山の黒牛。
 これまで完璧に合っていたので、「名前だけ寄せました」では相性に隙間があります。
 その隙間を埋めるべく、強く掴んだら折れそうなほど細いステアのワイングラスで香りを楽しんで。

クリックすると拡大します

 牡丹海老。
 確かに牡丹海老の身と卵が使われているけど。
 器に見立てた柿、勿体ないからそのままガリガリと食べてしまった。

クリックすると拡大します

 その海老に合わせるのは、千葉の寺田本家が醸す醍醐の泡。
 ここで菩提酛のスパークリングなんだ、これがまた海老に合ってしまう魔法、そっと二杯目をお願いする。

クリックすると拡大します

 130年のうなぎの蒲焼。
 130年とは鰻の年齢では無く、鰻のたれの年数、廃業された鰻屋のたれを引き取って使っているとのこと。
 蒲焼きは関東では珍しい地焼き、蒸さずに炭で直接焼き揚げるので、皮のパリパリ感がたまらない。
 天然か養殖かの説明は無く、確認もしませんでしたが、感じたこと無い味わいの前にはどうでもいいこと。

クリックすると拡大します

 鰻に負けること許されない日本酒としては、広島の龍勢。
 どんな料理も大きな味わいで包み込む龍勢で、最上級の鰻の蒲焼きが、更なる高みに登っていきます。
 それはつまり、うなぎ登り。

クリックすると拡大します

 マスクメロン シャインマスカット。
 つまりフルーツですね、食べただけでは分からない包丁細工のマスカット。

クリックすると拡大します

 黒豆茶。
 フルーツには日本酒を合わせることなく、お茶で。
 そうそう、三宅輝さんは陶芸家なので、自身が焼いた食器には蜻蛉を入れています。
 この湯呑みの底と、茶托の縁にも描かれています。

クリックすると拡大します

 IMOパフェ。
 三種類の焼き芋に、水飴の水引きをあしらってあり、どこから食べたら良いのかから楽しめます。
 素晴らしい料理、素晴らしいお酒が美味しいのは当たり前で、その美味しいの先にある感覚を楽しんだ夜。
 いつかまた伺いたい、ご馳走様でした。

クリックすると拡大します
posted by ふらわ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/189144925
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック