
いつもは人通りの多い道から向かいますが、今夜はグーグルマップのお告げ通りに歩いてみました。
この店を予約して伺うのも今夜で最後になるかも知れない。
ま、未来のことは何も決まっていないけれどね。

今夜は、鮨心白。
予約したのは前回(2021/12)の訪問直後、このくらいの間隔が自分的にはちょうどいいです。

どのくらいの金額からが高級寿司と呼ばれるのかは私は知りません。
値段ではないのかも知れないし。
こちらは料理20,000円に飲み物代、前回までは30,000円でしたが、今回は32,000円。
百円単位の端数がないので、色々と調整して下さっていると感謝しています。

乾杯はCOEDO 瑠璃-Ruri-、COEDO 漆黒-Shikkoku-。
ipadをみて選ばないといけないんだけど、ついつい口頭で頼んでしまいます。
今夜は何時に終わるかな、最近は早いからな。

のれそれの自然薯掛け
自然薯だけだと強すぎるので、山芋も合わせているとのこと。
「のれそれ」とはアナゴの稚魚、高知県土佐が特産。
ほぼほぼ踊り食いだな、美味しさ以上に季節を直接感じます。

白甘鯛と菜の花。
甘鯛は白、黄、赤のランク付けがあって、もちろん白。
人肌の料理から、少し熱めの料理へ。

「お酒、くださーい」「3種類の飲み比べを用意したので、3つ選んで下さい」
何のイベントでもなく、何かの企画でもなく、手に入ったから飲み比べしましょう、って。
各々で好きなお猪口を選んで、と。

【広島醗酵共同研究会】始-HAJIME- 生原酒(旭鳳は火入れ)
原料米、酵母、麹菌…限界まで同じ素材に統一した研究企画。
第一弾として「広島サタケの真吟精米」「千本錦」「酵母KA1-25」「丸広麹」と条件を同じにして、旭鳳酒造(旭鳳)、藤井酒造(龍勢)、三輪酒造(神雷)の三蔵が同じスペックにて酒を醸します。
スペックが同じでも醸す人で味は変わるのか、変わるんだ。

酒器というか片口も様々。
奥の2つは見たことがあるけど、手前の黒いのは初めてみた。
また増やしたのか。

真牡蠣
秋田で作られる魚醤である「しょっつる」で仕込まれた牡蠣、恐ろしく絶妙。

にぎりこの自然薯掛け
一般的な数の子は、冷凍ニシンから魚卵を取り出して塩漬けや漂白をします。
にぎりこはカナダやアラスカでニシン漁が解禁されるまでの間に、その年の産卵調査をするために漁獲された冷凍する前のニシンからとった魚卵を、漁船上ですぐにそのまま塩漬けしてつくった数の子。
まっすぐキレイに成形されていないため見た目は悪く、一般的な数の子のように漂白して色を綺麗にしていないので、香りや風味がそのまま凝縮されているそうです。
口に入るまでに一度も加工されず、新鮮なうちに塩蔵されるため、卵の旨味がそのまま残っているのが特徴。
こんなに美味しい数の子があるんだ、、にぎりこか。

宮城の蔵元である金の井酒造が醸す「綿屋(わたや)」純米吟醸 生酒 2002BY。
事前に熟成酒をお願いしてはいましたが、なんと20年前の綿屋、しかも口切り。
心の底からありがとうございます。
心の底から美味しくいただきます。

握らない鮨屋から時々握る鮨屋へ。
感染症はこの鮨屋の営業形態にさえ、影響を与える。

アオリイカ
味の薄いネタから濃いネタへ、と学んだけれども。
実際にお鮨屋に食べると、美味しいネタからさらに美味しいネタへ、なんだな。

石川の蔵元である宗玄酒造が醸す「宗玄(そうげん) 奥能登乃伝統仕込」純米大吟醸、大吟醸 斗瓶囲い。
瓶詰めは2022BYなんだけど、みたことのない宗玄。
味わいも変わって、って杜氏が変わったんだ。

ゲソ焼き
鮨屋ってイカの身は使うけどゲソは使われないことが多く、こちらではちらっと炭火で焼いてくださいます。

牡丹海老
山葵は「真妻(まづま・赤茎)」と「実生(みしょう・青茎)」をブレンドして使っています。
真妻だけだと香りは立つけど辛味が足りない、足りない辛味を実生で補うという。

東松島の牡蠣
この店に冬に訪れると、特別に契約している東松島の牡蠣業者からの牡蠣が頂ける。

宮城の蔵元である一ノ蔵が醸す「一ノ蔵特別純米原酒 3.11未来へつなぐバトン」特別純米原酒 R4BY。
この銘柄の売り上げは、全額を東日本大震災で被災された子どもたちの継続したケアを目的とした基金団体「ハタチ基金」へ寄付されています。
震災当時0歳だった子どもがハタチを迎える日まで、継続支援されています。
こちらの店では、日本酒を原価(仕入れ値)で提供するという支援、素晴らしい。

かんぬき
かんぬきとは、冬から春にかけて旬を迎えるこのサヨリの太くて大きな個体のこと。
大きければいいってもんじゃないけど、大きければ美味しいんだからいいんじゃないかと。

「熱燗、お願いします」「どのお銚子にしますか」
とずらっと並べて下さいました。
座った席の直ぐ目の前から、だすわだすわ、こんなにあったんだ。

神奈川の蔵元である川西屋酒造が醸す「丹沢山(たんざわさん)」本醸造 生酒 2009BY。
蔵元が全量純米蔵になる前に醸していた、14年前の本醸造。
しかも生酒だからなぁ、恐ろしいほど美味しいよ。

赤身
吸い込まれるような深い赤、酢飯は2種類の赤酢をブレンドして使っているそうです。

しまあじ
包丁で入れた切れ目が、これまた素晴らしい。

鮟鱇の茶碗蒸し
あん肝の下には鮟鱇の胃袋とか身とかが蒸してあって、鮟鱇ずくめの茶碗蒸し。

福岡の蔵元である旭菊酒造が醸す「旭菊(あさひきく)」秘蔵古酒 27BY、生酛純米 30BY。
今夜は飲み比べが多くて、嬉しすぎて悲鳴ばかり。

北寄貝
長万部産の北寄貝、スシネタにするには大きすぎませんか。

メヒカリ
炭火焼きで香りごと楽しみます。

不明
ちょっと気を失っていたかも。
ちょっと飲み過ぎているかも。

中トロ
柔らかい身であっても縦に切れ目を入れて、刺身が溶ける前に自分がとろけそう。

カラスミ
しっとりタイプに仕込み、周りを炭火で炙って提供。
ケチケチしない大きさにうっとり。

秋田の蔵元である舞鶴酒造が醸す「田从(たびと)」純米酒 山廃めんこいな 20BY、ヨネシロ 17BY。
いやぁ、こちらで田从の飲み比べが出来るなんて、嬉しすぎます。
しかも赤田从田从だし。

しかも燗付けしてもらったし。
良い感じの色が付いていることも素晴らしいけど、お燗を入れると色合いが変わるお銚子も素晴らしい。

クロムツ
軽く炙ってあって、なんとも心地よい味わい。

島根の蔵元である王禄酒造が醸す「王禄(おうろく)」純米大吟醸酒 舟掛三十五 2016BY、純米大吟醸 意宇 舟しぼり 生原酒 25BY、特別純米酒 流 R1BY。
最後は見たことも飲んだことも無い王禄の飲み比べ、嬉しすぎて気を失いそう。

毛蟹
だったような、日本酒の消化に忙しくて料理も消化するのが精一杯。
この精一杯感、心地よいですな。

バフンウニ
溢れているというか立っているウニ、美味しすぎます。

味噌汁
七味に二味足した九味の調味料をさっと掛けて、美味しくいただきます。

不明
多分サワラだと思うけど、食べた時に「ああサワラ、分かってるわ」ってメモを取らないと、覚えていない。

穴子
江戸前寿司の最後は穴子、キリ多めで、一気に糖分補給なのか。

最後まで日本酒を飲み続けている。
片口はひとつひとつ替えて下さっているけど、どの片口も素晴らしい。

玉
〆は玉子焼き、どうやって焼くのは分からないので、カステラと言われても分からない。

お茶を飲みながらお会計。
周りを見渡すと、その場で次回の予約を取っているお客さんもちらほら。
時計を見ると23時10分、急いで帰れば間に合う時間帯に終わるようになったんだな。
美味しい料理、美味しいお寿司、美味しい日本酒をご馳走様でした。