
朝から大雨で、遂に梅雨入りかと思ったら、台風でした。
あちこちの電車が止まる中、小田急線は遅延せずに藤沢へ。

お誘い頂き、今夜は鮨しみづへ。
3年ぶり6回目の訪問、コロナ禍のおかげで訪問間隔が空いてしまいました。
まま、そもそも私には不相応な高級鮨店、3年に1回でも多いくらいだと思います。

先ずは、エビス(小瓶)660円
改めて言葉にしなくても伝わると思っているけど、言葉にしないと伝わらないこともありますね。
いつもいつも、お誘い頂き、心の底から感謝しています。
ありがとう。

ノンストレスタコ(ノーストレスタコ)
「海中で全ての処理をしてしまうので、ストレス無しです」と説明がありましたが、ググっても良く分からず。
素人ながらに考えてみると、魚貝類を締めるときにストレスを掛けないと肉質が柔らかいまま、ってことかな。

頂いてみると、ブラインドで食べたらタコだとは分からない柔らかさ、味わいの深さ。
どう見てもタコにしか見えないけど、こんなに美味しいタコは食べたことが無いんですけど。

すかさず日本酒。
福岡の蔵元である山口酒造場が醸す「庭のうぐいす なつがこい」特別純米酒 R4BY。
夏酒を夏が来る前、なんなら梅雨前に飲むなんて、なんとも日本人らしい。

卵かけご飯
「たまごかけごはんです」って言われたので、何言ってるのかな、イクラご飯じゃんと思ったけど。
酢飯にイクラと岩海苔を散らし、山葵を乗せた卵かけご飯で間違いありません、すみません。

焼海苔、酢飯、イクラの手巻き寿司は頂いたことがありますが。
イクラの軍艦巻きをバラして頂いている感じ、美味しいですなぁ。

20日熟成したイサキ、新玉ねぎのすりおろし。
刺身(?)の温度に合わせ、磨り硝子のような食器は冷やされて提供されます。

刺身には刺身醤油や塩が殆どですけど、それでは店主さんが表現したい味わいにならないのだろう。
圧倒的に日本酒に合う刺身、ほんの数切れしか無いのが残念。

小泊産マグロ、22日熟成
お寿司の前の酒のつまみにしては、贅沢すぎる鮪の切り身。

切ったまま小皿に乗せて、ではなく、丸めて提供。
ちょこんと醤油の香りを乗せていただく、お客さんのお喋りが止まる空気を感じる旨さ。

蒸し鮑、糸島、玄界灘の糸島産
味付けせずに蒸しただけの鮑、蒸しただけで十分に美味しいし、むしろ味付けは要らない。

福岡の蔵元である白糸酒造が醸す「たかなろくじゅうご」純米酒 糸島産山田錦 R4BY。
先の鮑の産地と同じ糸島のお酒、つまり水が同じってこと。

具無しの出汁だけの茶碗蒸し
お店の数だけ茶碗蒸しがあるとは思っているけど、具無しの茶碗蒸しは初めて。
お出汁だけでここまで美味しいなら、敢えて具は要らないですね。

2週間熟成の鯵
すっと引いた醤油は頬紅の如く、ほんのりと香りを立てます。
熟成すると水分が減り、旨味が増えるらしく、恐ろしいほど美味しい。

シマアジ
ロングトレーンを思わせる後ろ姿、一口で食べるのは勿体ないけど、一口で食べます。
ギュッと押し込められたいた旨味が、パッと広がる間隔、旨いですなぁ。

長野の蔵元である伴野酒造が醸す「澤の花 夕涼み(さわのはな ゆうすずみ)」純米大吟醸酒 R3BY。
初めて頂く蔵元のお酒、長野なんだ。

カラスミ
「ちょっとつまんでいて下さい」と出されたカラスミ、一年ものとのこと。
お酒がすすんでしようが無いけど、しようがない。

ヅケ
「ヅケ」とは料理の名前なのか、調理法なのか、両方なのか。
なんてことを考える必要なんて無く、美味しいヅケは美味しくいただきます。

空豆
蒸し焼きなんだと思うけど、蒸しただけでこんなに美味しくなるんだっけ。
大抵は塩を振って塩味にしているので、塩を振っていない空豆の何と美味しいことか。

金目鯛
残した皮を炙ることも多い金目鯛、こちらでは皮は使いません。
皮が無くても食感に変化を感じ、とっても美味しい。

生シラスとキュウリの和え物
箸休め、ですかね、箸休めとは言われなかったけど。

大雨の影響で新幹線が運休し、大阪から伺うお客さんがキャンセルしたって聞いたけど。
なぜか満席、店主さんが懇意のお客さんに連絡しているとのこと。
そう言えば私も都合を聞かれたことがあったな、都合が付かなかったけど。

15日熟成の帆立
ホタテを熟成させるって、きっちりやっちゃったら水分が無くなってしまって美味しくないのでは。
なんて素人考え、後ろ足で一蹴、きゅっと絞った酢橘が染み込んだホタテ、ウンマイ。

京都の蔵元である日々醸造が醸す「日日 山田錦(ひび やまだにしき)」純米酒 東条産山田錦 R4BY。
おお、日日を飲めるなんて嬉しい。

大トロ
今夜の鮪はひとつの柵から切り分けているので、同じ22日熟成。
赤身の部分だけじゃ無くて脂身も熟成しているかのよう、こんなに美味しい大トロなんて。

もずく
ほんのり酸っぱい、ふわっと旨味、二回目の箸休めですかね。

鰻
ご飯と共に頂くうな重やうな丼も美味しいけど、ちょこんと山葵の焼き鰻が、これまた美味しい。

のどぐろ
シマアジに負けないロングトレーン、一口で食べてしまうのは何とも贅沢。
でも一口で頂く。

宮城の蔵元である大沼酒造店が醸す「乾坤一(けんこんいち)涼風(すずかぜ)」純米吟醸酒 R4BY。
今夜二回目の初蔵元、ラベルは白抜きの技法で描かれているとのこと。

余市の雲丹、白エビ
食材は九州産が多いけど、流石に雲丹は北海道産。

ウニとエビって一緒に頂くと、美味しさが掛け算されるようだ。
山葵は彩りと香りってことなんだろうな。

シャリ煎餅
どうしてもシャリが残るので、乾燥させて揚げてみた、と。
他の店でもやっているのかなぁ、しみづだけかなぁ。

穴子
江戸前寿司なら穴子が出ないと締まらないけど、こんなに美味しい穴子なら締まらなくてもいい。

あおさの味噌汁
お寿司って冷たい料理だから、最後に味噌汁で身体を温めることが多い。
せっかく食べるなら美味しい味噌汁が嬉しいし、あおさの味噌汁は美味しいし。

玉
2回味わえるように二切れなんだろうけど、私はいつも一口で食べてしまう。
玉子が焼きが出たってことは最後ってことだ。

茗荷の巻物
甘味を用意されている大将に「これ(茗荷)って使わないんですか?」と訊いたら、「食べますか?」と言われ。
さっと醤油を引いて、巻物にして下さいました。
ありがとうございます、特別な美味しさです。

甘味
甘味は最中、餡子にコーヒーを隠し味にしていて、甘さの中に苦味あり。
美味しいお鮨、美味しい料理、美味しいお酒をご馳走様でした。