
今日は気温が上がって、やっと春らしい陽気でした。
とは言え、それを感じられたのはお昼休みと、こうして夕陽を眺めている今のこと。
桜の開花、遅れに遅れていますな。

夜は、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーへ。
初めて降りる虎ノ門ヒルズ駅、改札を出て右手、ちょっとした広場の先にT-MARKETが見えてきます。
そのレストラン街の最奥にあるのが、立喰すし魚河岸 山治。

訊けば、このレストラン街で2番目に狭いとのことで、スタンディングスタイルの12席カウンター。
江戸前寿司は屋台での提供から始まっていて、醤油を塗られた寿司を立ち食いするのが本来の楽しみ方。
習慣で席とコースを予約してしまいましたが、他のお客さんはふらっと立ち寄られています。

メニューは1貫100円スタートで、いくらなんでも虎ノ門でこの値段は安過ぎるでしょう。
握り、つまみ、お椀物などと全部で50種類あるとのこと。
日本酒は8種類か、どこからどこまで、何種類飲もうかな。

予約したのは、山治イチオシ!!おまかせにぎり11貫4,500円。
握りとお椀のコース、立ち食い寿司の経験値が低いので良く分からないけど、安い部類の入るのかな。
ネタやシャリのポーションに応じて料理を追加したり、好きなお酒を楽しみましょう。

ブラックボードに本日のオススメ。
明らかに食べなくてはならない料理、あります。

オーダーはタブレット、会計はキャッシュレス(現金不可)になります。
何はなくとも花板とオススメのネタとか隠し酒とか話しながら、飲み物からオーダー。

それでは生ビール630円で乾杯。
今夜は虎ノ門で、二人お疲れ様会♪
グラスのラベルを「ちゃんと」お客さんに向けて置く店、これは楽しみですな。

握りやツマミの一部は、カウンター台の大きなお皿に乗せられます。
このお皿、全席で模様が異なります。

鯛
1貫目は今が旬の鯛の昆布締め、3日熟成の4日目。
シャリは小さめで、多くの種類が楽しめると言うか、多く食べてもらう営業方針なのかな。
ちなみにお米は福井県産いちほまれ、赤酢を合わせています。

赤身
今夜の鮪は大間産、私でも分かる明らかな味わいの違い。
ちょこんと乗せた芥子か味わいをさらに引き立て、大間のマグロを存分に楽しめます。

墨烏賊
イカの甘みを塩とライムで引き上げています。
ライムは珍しいですねと訊くと、酢橘の入荷数が足りなかったとのこと。
これはこれでレア、いわゆる本日限定メニュー。

帆立
シャリを包むような握り、こう言う握りの帆立は初めて。
改めて振り返ってみると、どのネタも綺麗な飾り包丁が施されています。

中トロ
赤身があれだけ美味しかったので、中トロはどれだけ美味しいのかとの期待を超える美味しさ。
そろそろ日本酒を飲まないと。

宮城の蔵元である新澤醸造店が醸す「伯楽星(はくらくせい)」純米大吟醸 R5BY。
どれから飲んでもお寿司に合いそうですけど、最高の食中酒から飲みますか。

ホタルイカ串炙り300円。
酢味噌和えか沖漬けで頂くことが多いホタルイカ、今夜は炙りで。
カウンター寿司屋なら目の前で炙って下さるところ、こちらは奥の厨房で炙られています。
実によく日本酒に合いますな。

小肌
シンコ(新子)、コハダ(小鰭)、ナカズミ、コノシロと成長につれて呼び名が変わる出世魚。
握りの大きさと小肌の模様がとても良く合って、まるで握られることを前提に模様があるかのよう。
目で楽しみ、程良い酢じめで楽しめます。

煮鮑
色々な鮑の握りを頂いてきましたが、ツメたっぷりの煮鮑は初めて。
甘いというか旨いというか、旨いというか旨いというか。
今夜の握りは初めてが多く、自分がお寿司の事をどれだけ知らないのかを知らされます。

いくら
握りのネタより多めに盛られ、見た目から楽しめます。
軍艦巻きの海苔の風味が強めなのに、その風味に負けないいくらの旨味。

海老
昆布締めした牡丹海老、舌にまとわりつくようなねっとり感を僅かに抑えた口当たり。
昆布の旨味が海老名甘味に掛け合わされます。

奈良の蔵元である今西酒造が醸す「みむろ杉」特別純米 辛口 露葉風 R5BY。
創業350年を超える蔵元であっても、新しい酒米で新しい造りに挑戦する。
そんな挑戦に接したら、応援したくなる、飲みたくなりますね。

鰯
青魚と言えば鰯、すっと引かれた包丁が繊細な味わいを引き立てます。

穴子
今夜な穴子は対馬産、焼き上げる前はキラキラと輝いていたことでしょう。
ツメで頂くことが多いのですが、今夜は煮切り醤油で。
「ここまでがコースとなります。何か追加されますか?」と水を向けつつ、玉子とお椀を止めてくださっています。

三重の蔵元である清水清三郎商店が醸す「作 恵乃智(ざく めぐみのとも)」純米吟醸 R5BY。
焼き物に備えての作、焼き物でなくても飲みますけどね。

真ふぐ白子焼900円。
箸で上手く切れないほどしっかりした皮に包まれた精巣、とろけることなく、真っ直ぐに命を頂く美味しさ。
明らかに値付けが間違っていると思われますが、黙っておこう(笑)

赤貝600円。
世の中の寿司ネタで一番好きな赤貝、飾り包丁が入っているのに大きく驚く。
旬の赤貝の美味しさといったら、上手く言葉にできません。

牡蠣500円。
生と蒸しの中間の火入れ、手で受けとります。
牡蠣だけで頂いても美味しいのに、シャリと合わせると数倍美味しい。

月の井ハイボール630円。
茨城の月の井酒造店が醸す日本酒を使ったハイボール。
こういうアレンジにもしっかり応えられる日本酒、素晴らしい。

ひもきゅう(細巻き)600円。
巻物は8種類用意されていて、「なにのひもですか?」と訊くと「赤貝です」と返され、秒でオーダー。
赤貝のひもと胡瓜を巻いた細巻き、美味しさこの上なし。

玉子
友人の腹具合に合わせる形で、ここでコースに復帰します。
ひんやりと冷たく、まるでレアチーズケーキのよう。

お椀
最後頂くお味噌汁、コースでなければ省いてしまうこともありますね。
ネタに使った魚のアラを使って造る味噌汁、この日の宴を思い返します。

ふと調理場をみると、何やら巻物にイクラとかカニとか盛り付けています。
メニューに見当たらないので、どうやってオーダーするのか訊くと、店内では食べられないとのこと。
施設の共有スペースではあちこちの飲食店の料理を「取り寄せて」楽しめ、その「取り寄せ」用の一品とのこと。

最後はお茶を。
お茶は湯呑みを受け取って、粉末状の茶葉を入れ、回転寿司屋で見かけるお湯注ぎ器から、お茶を造ります。
手慣れた手付きでお茶を造って、ほっと一息。
美味しいお寿司、美味しい日本酒をご馳走様でした。
> 造りでも焼いても煮ても干しても美味しいから、付けられた名前がアジ。
アジっぽく見えないのですが食べた人がアジって言うならアジなんでしょうね。
言われてみたら、確かに鰯ですね。
後で直しておきます。
ふらわ様 私は赤貝以外のひもきゅうを食したことがないのですが…
色々な種類の【ひも】をご存知のようなので教えていただけますでしょうか。
私も赤貝のひもしか食べたことがありません。
しかしながら、何か創造的な料理、特別なアレンジがあるかも知れません。
念のためお訊きした次第です。