
朝はちらっと雨が降っていて、鞄から折り畳み傘を出すかどうか、逡巡してしまう。
結局出さなかったけど、出して差した方が正解な場面が殆ど。
つい逆張りしちゃうんだよね、外れるって分かっていてても。

お昼は、香港食家@白金高輪(港区高輪)へ。
飽きっぽい私は、毎日同じ店で同じ料理とか無理。
色々なお店で色々な料理を楽しみたい。

日替わりメニューがあると、自身の好みに偏らずに色々な料理にが楽しめ、新しい発見にも楽しめ。
今日の日替わりメニューが、立て看板に書かれています。
A.麻婆ナス850円。
B.上海やきそば+ワンタンスープ950円。

店内に入ると、空き席が見当たらないほど混み合っています。
おー、階段で外待ちかな、それとも他の店に行こうかなと逡巡していると、
「いらっしゃいませ、カウンター席が空いていますよ」と案内されます。
実際の口調とイントネーションを伝えたいのですが、私の表現力の至らなさゆえ、そうもいかない世の中。

程なくして、担々麺+半チャーハンセット980円。
何人かの注文を飛ばし、先に提供された様な気がします。
まま、調理の様子を全て見ていたわけでは無いので、なんとも。
こちらのランチセットには、ザーサイと杏仁豆腐が付きます。

担々麺を頂こうとか麺を持ち上げると、高級中華料理店で頂くような芝麻醤の香りが立ち上がります。
高級中華料理店には伺ったことが無いので、あくまでも「そうなんじゃ無いかな」というイメージでしかありません。
担々麺は数百軒で食べた気がしますので、そんな思い出の中でもトップクラスに感じます。
まま、数百軒と言ってもちゃんと数えたわけではないし、世の中にはもっと多く担々麺が食べられる店もあるでしょうし。

麺を半分くらい頂いたら、半炒飯を頂きます。
やや作り置き感を漂わせながらレンゲで頂く炒飯、美味しいですねー
料理が美味しいことを「いつまでも食べていたい」と表現することもありますが、私は半炒飯で十分です。

担々麺と炒飯を食べ終わったら、杏仁豆腐。
寒天のように平面ではなく、でこぼこしてます。
でこぼこしているのが作り立てなのかちがう理由なのか、作ったことがないので美味しいことしか分からず。

いゃー、久し振りに美味しい担々麺を楽しみました。
長く食べ歩きをしていると、大概の美味しい料理は経験してしまって、
料理で心動かされることは少ないのだけれど。
スルッと食べて、ご馳走さまでした。

夜は、東銀座。
堂々と銀座と名乗る店もあれば、銀座は五丁目まだだよと呟く人もいる町。
焼鳥 ひら野。
一年もすれば美味しくなっていることに疑いはなく、どう美味しくなっているかが楽しみ。

予約してある旨を告げると、カウンター席に案内されます。
既にコースの半分ほどを楽しまれたお客さんで賑わっていて、それでいて空き席もあって。
直前に連絡すれば入れることもあるらしく、店員さんは心好く対応されています。

着席すると、ウェルカムドリンクにも似た、食前酒を勧められます。
店主さんの故郷である鹿児島の蔵元である天賦の純米大吟醸、ありがとうございます。

改めてマスターズドリームで乾杯。
今夜は東銀座で二人お疲れ様会、お誘いいただき、ありがとうございます。
店内は予約で満席、幾つかのコースが用意されていて、今夜は「プレミアム 花椿コース」とのこと。

一品目は何かなぁーと待っていると、ビシソワーズ。
蓮の葉の上に踊らされたジュンサイ、つるんと滑らせて料理と合わせます。
ちなみに、蓮の葉は食べられません。

ビシソワーズにはホヤガイ、枝豆、ブブあられ、ウニがあしらわれています。
一口毎に異なる味わいが楽しくて、ついついお喋りも滞りがち。
今年もじゅんさいをいただけて、とても嬉しい。

サラダは、ジャコサラダ。
あっさりめのドレッシングが掛けられ、ビシソワーズと温度帯を合わせてあります。
丈のある大きめの湯呑み、あっさりとした味のドレッシングが掛けられています。
先のビシソワーズに合わせた温度帯に仕上げてあり、とても美味しい。

少し時間を空けて鶏が焼き上がってきます。
一串目はせせり。
しっかりと、それでいて入れ過ぎていない火入れ。

自家製の芥子を付けて頂くと、目を開けていられない心好さ。
この美味しいさが後の九串に続くのかと思ったら、一串毎に美味しくなっていきます。

焼き鳥の脂切りにどうぞと勧められた、自家製ポン酢を掛けたおろし。
肉は脂が美味しいんだから、切ってどうするだよと思いつつ。
コースの途中で食べることはせず、最後にいただきました。

「日本酒、美味しいのからお願いします」と店主さんに声を掛けると、
「先ずはこちらから」とお猪口を選びます。
飲み手の数だけ、お猪口の選び方にこだわりがあっていいと思う。
私はこだわらないのがこだわり、端から順番だな。

一杯目は山形の亀の井酒造が醸す「ばくれん 超辛口(ちょうからくち)」吟醸酒 R6BY。
「外で飲むお酒は格別ですね」と気遣ってくださる連れに対して、
「お酒は七月から酒造年度が切り替わるんだよ」と色気のない返事の私。
こんなことだからモテないし、友達もいないんだよな。

二串目は、奥州岩手県産の南部どりもも肉。
旨味の強さを引き立てるために柚子胡椒を乗せ、これがまた絶妙によく合って心好い。

ホワイトマッシュルーム
軽く味が付けられているかのような、それでいてマッシュルーム本来の味わいの様な。

シロレバー
前回もいただいた気がする白レバー、ねっとりとした食感が堪りません。
薬味はおろし生姜、これがまた抜群に合います。

ここでお造りとしてクエの刺身、あん肝ポン酢と海苔醤油が添えられています。
そうかもうクエの季節なんだな。
添えられたあん肝ポン酢がとろけるような美味しさで、残っていた日本酒がさっぱりと空きます。

二杯目は、茨城県の月の井酒造店が醸す「月の井(つきのい)」純米吟醸酒 R5BY。
ほうほう、魚料理には海沿いの蔵元のお酒とは、洒落てますな。
2杯目も美味しいので、3杯目がさらに楽しみ。

つくね
ふんわりと柔らかい食感のつくねも美味しいし、固く握った小さめのつくねも美味しい。
「七味でどうぞ」と勧められるままに合わせると、さらに一段、味が高まります。
串が進むにつれ、少しずつ火入れが強くなっていくのは楽しい。

やげん軟骨
肉がたっぷり付いた薬研を焦げ目が付くほど焼き上げて、日本酒に合わせてくださいます。
コリッとした食感が堪りませんな。

福井の蔵元である三宅彦右衛門酒造が醸す「早瀬浦 純米滓酒 浦底 海の女神(はやせうら じゅんまいおりざけ うらぞこ うみのめがみ)」純米酒 R5BY。
早瀬浦の純米系(純米酒、純米吟醸酒)のオリをタンクの底から集め、純米本生上澄み酒とともに瓶詰めした1本。
本年度最終モロミまでの新鮮なオリをブレンドして、まさに唯一無二の味わい。

あか
いわゆるウチモモの部位、噛めば噛むほど味が出る美味しさ。

揚げ物になります、と、スッポンの春巻きに早採り銀杏。
まだまだ暑い日が残っているのに、もう銀杏。
スッポンの美味しさを一口で楽しめる春巻き、うんまい。

ちょうちん
ちょうちんには本物と作り物がありますが、こちらは作り物の方。
黄身を崩さないように一口で頂くと、これぞ焼き鳥の醍醐味とばかりの美味しさ。

静岡の蔵元である萩錦酒造の「モノタイプ」純米酒 生酛造り 静岡酵母 静岡県産令和誉富士 2023BY。
版画技法のひとつであるモノタイプになぞらえた生酛造り、県産米100%も素晴らしい。
調べてみたら限定販売じゃないか、良いお酒を頂きました。

最後の串に手羽先。
手羽先は手で持って食べてもらうことを前提として、最後に提供されます。
手が汚れたら、新しいウェットティッシュので手を綺麗にしてから、ごはん物へ。

ごはん物は親子丼、そぼろ丼、出汁ごはん、稲庭うどんから選べます。
飲み友は出汁ごはん、、って鶏肉とイクラが乗せられているじゃないか。
鶏ガラから炊き込んだ鶏白湯スープ、美味しそう。

私は稲庭うどん、間違って稲庭中華そばが出てくるんじゃないかと思ったけど、間違わなかった。
つるんとしたお椀に入っていて、立ち上る香りを独り占め。

細うどんは鶏白湯スープとの相性抜群、焼き鳥を食べてお腹が一杯だったのに、一杯分だけ空きます。
ついつい習慣で、スープまで飲み干してしまいますけどね。

甘味は玉子プリンとパイナップル。
殻付きの玉子プリンをいただいたのは初めて。

半分ほどそのままで食べて、残りは蜜を掛けて食べて、どちらも美味しいと言うこと。
パイナップルはそのままってところがいいですね。

食べ終わってお会計。
こちらは現金不可ですので、男は黙ってクレカを切ります。
美味しい焼き鳥、美味しい日本酒をご馳走様でした。
